小洒落たバーで嗜む、大人な雰囲気のカクテル。しかし、家庭で気軽にカクテルを楽しむ近道が実は日本酒ということをご存知でしょうか?カクテルのベースに使われるのは、ジンやウォッカ、ワインやウイスキーといった洋酒が一般的。しかし、近年、日本酒を用いたカクテルが世界的に人気を集めているといいます。今回は5月13日の「カクテルの日」にあわせて、日本を代表するフレアバーテンダーの山本圭介さんに自宅でも簡単に作れる日本酒カクテルのレシピを教えてもらいました!
Profile
山本圭介(やまもとけいすけ)
2004年に留学先のオーストラリアでバーテンダーの仕事と出合う。その後、ボトルシェーカーを投げながらカクテルをつくり上げるなど、華麗なパフォーマンスで客を魅了する「フレアバーテンダー」としてキャリアをスタートし、世界的なカクテルコンペティションにて12度の優勝を果たすなど、その道の第一人者として知られる存在。
日本酒はカクテルに合うんですか?
日本酒をカクテルにするメリット
実は海外では随分と前から、日本酒を使ったカクテルが知られていて、多くのバーテンダーが日本酒に注目しています。日本以上に日本酒カクテルは人気があるんですよ」
そもそもカクテルとは?
カクテルをミックスさせる方法は、シェイカーを使った『シェイク』、マドラーやバー・スプーンでかき混ぜる『ステア』、直接グラスに注いでつくる『ビルド』などさまざまな手法があります」
山本さんが考える、日本酒カクテルの魅力って?
炊き立てのごはんが、和食だけでなく洋食にも中華にも合うように、どんなジュースやお酒にも合わせられる。これが日本酒を使う最大の利点であり魅力であると思います。
また、カクテルにすることでアルコール度数が抑えられ、日本酒独特の味や香りをやわらげることができます。
甘味を加えることで酸味を抑えることができるので、日本酒が苦手な人やお酒が弱い人にも楽しんでいただける。これもバーテンダー目線抜きにした日本酒カクテルのメリットだと思っています」
自宅で作る日本酒カクテル、必要なアイテムは?
外出を控えざるを得ない状況の中で、家飲みが主流となっている昨今。美味しい日本酒カクテルを家で楽しむために、最低限そろえるべきアイテムはあるのでしょうか。
山本「絶対に必要!ということはありませんが『つくるたびに味が違う!』なんてことを避けて、美味しい一杯を満喫するために用意してほしいものがいくつかあります」
味の再現性を担保してくれる「メジャーカップ」
好みの飲み口を探そう「グラス」
ショットグラス、タンブラー、シャンパングラス、ワイングラス…これくらいあればOKだと思います。つくる味に合っていそうなものをセレクトしましょう。同じカクテルを違うグラスで楽しむのもオツなものです」
雰囲気演出にもひと役「マドラー」
最もこだわりたいのは「氷」
もしもご近所に氷屋さんがあるなら、ぜひそこで“純氷”を手に入れてみてください。少し大きなスーパーで売られていることもあります」
山本さん直伝・家でつくれる久保田を使った絶品カクテル
編集部員はひと足早く撮影時に味見しましたが、どれも飛び跳ねたくなる美味しさでした!
①混ぜるだけ。和食に合う美味カクテル【久保田トニック】
最後にマドラーを使って軽くかき混ぜれば完成。ここでも激しくせず最低限の混ぜ具合にすることが美味しさの秘訣。お好みでライムジュースをほんの少々垂らしてもいいですね」
②お好みのスパイスを入れて【久保田トニック 改】
ワイングラスに氷を入れ、『久保田 千寿 純米吟醸』を50ml注ぎ入れます。軽くかき混ぜてグラスと久保田が冷えたところで、エルダーフラワーの香りのトニックウォーターを、氷に当たらないよう50~100mlほど注ぎ入れます」
山本「ここに、炙って香りを立てたローズマリーや、レッドペッパー、クローブ、レモン、ライムなどお好みのスパイスとフルーツをプラスすれば完成です。
一緒に楽しむ料理に応じてスパイスを変えてみるのもオツなもの。いろいろ試してご自身の味覚に合うものを見つけてみてください」
※「久保田 千寿 純米吟醸」は、5月18日(月)より一般発売開始します。
③ホエイの甘みとコクが美味【特製 久保田ミルク・パンチ】
④フレッシュトマトが香る【新潟レッドサン】
トマト1個をジューサーにかけて濾して、よく冷やしておきます。塩分無添加のトマトジュースを使ってもいいですが、日本酒との相性を考えるとやはりフレッシュが一番。『久保田 純米大吟醸』と1:1の割合でブレンダー(ご自宅では大きめのコップでOK)に入れます。ここまでがいわゆる普通のレッドサンのつくり方なのですが、僕はここからもうひと手間!」
パリッとなるまで乾燥させた都こんぶを添えれば出来上がりです。昆布だしの旨味が後を引く味わいですよ」
薬味、野菜、調味料…。意外なちょい足しを楽しむのも醍醐味
山本「ご紹介したフルーツやスパイスだけじゃなく、ミョウガやシソ、きゅうりといった薬味や野菜、お酢、醤油、みりんなど、さまざまな調味料を加えても美味しくなります。さまざまなものをミックスし、オンリーワンの味をつくり出すことも、カクテルの楽しみ方なんです」と、山本さん。
時間はたっぷりあるので、夜な夜なMy Bestな一杯を探求してみてはいかが?
ただし、飲みすぎにはくれぐれもご注意を!
Photo_Kohji Kanatani Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara