ひれ酒とは、ふぐやエイなどの魚のひれを入れて飲む日本酒の飲み方の一つ。ひれをしっかり干したものを炙って日本酒に入れると、ひれの香りや風味がお酒へと移り、味わい深く美味しい一杯が完成します。本記事では、自宅でひれ酒を美味しく作る方法、おすすめの日本酒や料理などを紹介しています。
ひれ酒を自宅で美味しく作る方法
日本酒とお好みのひれ、ひれを炙るためのグリルやトースターがあれば、自宅でもひれ酒が作れます。ひれ酒を作る際のこだわりポイントとともに、美味しく作る方法を紹介します。
①ひれは乾燥したものを使う
まずはひれを用意します。生の状態、もしくはしっかり乾燥していないひれは臭みの原因となってしまうため、しっかり乾いている状態のひれを使うのがポイントです。生のひれを購入して自分で乾かす場合は、ひれを2枚に開き、焼き串や竹串などに刺して乾かしてください。
ひれの種類にもこだわってみましょう。お酒に使われるひれは、ふぐひれ・エイひれ・鯛ひれ・フカひれなどさまざまです。種類によって風味が変わるので、いろいろと試して好みのものを探してみてください。
ひれの種類に悩むときは、スーパーやネットでも販売されている「ふぐひれ」がおすすめ。ふぐひれは香りや味が淡白なため、さまざまな日本酒に合いやすく、お酒の良さを生かしてくれます。購入する際は、香りや旨味をより楽しめるよう、厚みのあるものを選びましょう。
②ひれはきつね色になるまでじっくり炙る
ひれを用意したら、魚焼き用のグリルやトースターで炙っていきます。このとき網にアルミホイルを敷き、その上にひれを乗せて炙ると、網目から落ちる心配がありません。もしグリルなどがない場合は、コンロの上に魚焼き用の網を乗せ炙る方法がおすすめです。
焦げてしまうとお酒に入れたときに苦みが出てしまうため、炙るときは弱火にし、ひれが焦げないように気を付けてください。ひれがきつね色になり、ひれの端がこんがりする程度までじっくり炙るのがポイントです。
③お酒は熱燗よりも高めにする
熱燗は50℃ほどに温めますが、ひれ酒に使用するお酒の温度は70℃~80℃が目安。熱燗よりも温度を高くする理由は、ひれの旨味成分が溶けだしやすくなり、ひれ酒がより美味しくなるからです。また高温にすることでひれの生臭さも出にくくなります。ただし、かなり熱いので飲むときは注意してください。
香りを楽しみながらゆっくりと飲むのがおすすめです。より香りを楽しむには、蓋つきの器を用意すると香りが閉じ込められて、さらに美味しく楽しめます。
④火をつけてアルコールをとばす
ひれ酒の表面に火をつけると、演出として楽しめる上、火によってアルコールが飛んで飲みやすくなります。
まずは日本酒に炙ったひれを2枚ほど浸し、蓋をして3分ほど蒸らします。蓋がない場合はアルミホイルなどを使って器を覆うだけでも問題ありません。時間がきたら蓋を取り、その瞬間にお酒の表面に火をつけます。火が消えたらマイルドな味わいのひれ酒が完成です。
炙ったひれを器に先に入れてから燗酒を注ぐ人、アルコールを飛ばさずそのまま飲む人など、ひれ酒の作り方はその人のこだわりにより異なります。温度や作り方で味わいも変わってくるので、お好みのアレンジを見つけてみましょう。温かなお酒を好む人はひれ酒だけでなく、下記の燗酒の作り方・楽しみ方もぜひ試してみてください。
ひれ酒に合うおすすめ料理
魚料理
ひれ酒に合わせやすいのが魚料理。マグロやサーモンなどの刺身類、イカの塩辛、タコわさびなどは日本酒のおつまみとして定番です。さっぱりとした料理は燗酒の旨味を引き立ててくれるため、美味しく飲めるはずです。他にもほっけやアジの焼き魚など、温かい料理も燗酒に合うと人気があります。また、ふぐひれを使ったひれ酒ならふぐ料理、のように同じ魚を合わせるのも相性ぴったりです。
また、これらの料理はスーパーやネットで気軽に購入できたり、自宅でも調理できたりするのも魅力です。サッと用意して、好みの燗酒と合わせて楽しみましょう。
野菜料理
卵料理
ひれ酒に合うおすすめの日本酒
久保田 碧寿
江戸時代からおこなわれている、伝統的な山廃(やまはい)仕込みにより造られた純米大吟醸酒。重みのある深い旨味と、爽やかでキレのある味わいが特長です。炙りものや香ばしい料理との相性も良いので、ひれ酒にも適しています。
希望小売価格
1,800ml 5,030円(税込5,533円)
720ml 2,230円(税込2,453円)
久保田 紅寿
バランスの取れた辛味と酸味があり、心地良い味わいとフルーティーな香りが特徴的な純米吟醸酒。お酒の酸味がひれと見事にマッチします。またはっきりとした味付けの料理によく合い、「久保田」ならではのキレが食欲をそそります。
希望小売価格
1,800ml 3,310円(税込3,641円)
720ml 1,500円(税込1,650円)
朝日山 本醸造
きりっとした味わいで、日常酒に適した飲み心地の本醸造酒です。冷酒から熱燗まで、好きな温度で美味しく飲めるため、ひれ酒として楽しむのも良いでしょう。温めることでお酒の旨味がより感じられ、ひれの旨味と調和します。
希望小売価格
1,800ml 1,750円(税込1,925円)
720ml 820円(税込902円)
300ml 410円(税込451円)