今回は、秋田県仙北郡美郷町で1874(明治7)年創業の栗林酒造店「春霞 栗ラベル黄 山田錦」です。ひやおろし第一弾ということで、「ワンカップシリーズ」を中断していち早くレポートします。
栗林酒造店について
秋田県「NEXT5」のうちのひとつです。栗林酒造店のある美郷町は湧水が多く、それも軟水なので、酒造りに適した土地です。また町名のとおり秋田県の酒米「美郷錦」のふるさとでもあります。「美郷錦」は「山田錦」と「美山錦」を掛け合わせてできた酒米で、蔵元はもちろんこの「美郷錦」を中心に「春霞」を醸しています。
「NEXT5」ですが、ご存知の通り「新政」「一白水成」「山本」「ゆきの美人」とこの「春霞」です。これらの蔵では新政の6号酵母を使うことが多いのですが、栗林酒造では9号酵母の原形である熊本酵母(KA-4)のほか、亀山酵母を使用しています。亀山酵母は「春霞」の仕込蔵から分離したオリジナル酵母で、前杜氏の亀山精司さんの名前を付けたものですから、栗林酒造の酵母と言えます。
「春霞 栗ラベル黄 山田錦」
山田錦100%使用で60%精米です。ひやおろしの多くは9月9日が解禁日となっているようですが、蔵によって異なっています。ということで、この栗ラベル、ひと夏を越えているのにガス感があります。フルーティな香りに酸味と旨味、甘味控えめでキレがあり、スイスイいけてしまいます。これは美味しいですね。
あっという間に「ひやおろし」の季節になってしまいました。緊急事態宣言も延長とのニュースもあり、いいかげんにしてほしいですが、来年に備えて我慢を続けていきたいと思います。そんなときにこの一本、ありがたいですね。