今回は、千葉県山武市松尾町で1883（明治16）年創業の寒菊銘醸「寒菊 Blue Sapphire-青玉（せいぎょく）」です。「寒菊」には限定酒シリーズが多く存在していて、これは全量千葉県産米で仕込むシリーズの一本です。
寒菊銘醸について
山武市は2006年に４つの町が合併して出来た市で、蓮沼海浜公園があり九十九里浜に面しています。寒菊銘醸の最寄り駅はJR総武本線松尾駅で、松尾町はその蓮沼町の隣にある内陸の町です。レギュラー酒は「総乃寒菊」「総乃九十九里」「Ocean9９」などがあり、クラフトビール「KUJUKURI OCEAN」も醸しています。越後の「越の寒梅」のように房総ということで総乃という枕が付いているのでしょう。酒米は五百万石、山田錦、雄町、愛山、千葉県の酒米などを使用しています。
「寒菊 Blue Sapphire-青玉（せいぎょく）」
千葉県産五百万石50％、千葉県産山田錦50％のブレンドで50％精米、アルコール度数14％の低アル酒です。寒菊らしいフルーティで爽やかな口当たりに酸味とかろやかな甘味がバランスよく、スイスイ呑んでしまいます。低アルとはいえ、ヤバイやつです。
「blue sapphire」とは、「コーポレートカラーのブルーを寒菊の主力米“五百万石”に見立て、山田錦とのバランスを意識しながら宝石を扱うように杜氏がていねいに醪管理をしたことから命名されています」ということです。
寒菊銘醸は、千葉県産米の種類が多いことを背景にいろいろなチャレンジで少量多品種生産を行っていますね。けっこうたいへんなことだと思いますが、それらが高いレベルの味わいになっていることに頭が下がります。山形県の「栄光冨士」も同じような感じですが、こういう方向性もひとつの生き残り策になるのでしょうね。
