今回は、千葉県山武市松尾町で1883(明治16)年創業の寒菊銘醸「寒菊 Beyond X」です。「寒菊」には限定酒シリーズが多く存在していて、これは年に一度だけ醸す無濾過原酒にこだわった超限定「Occasional」シリーズ。限定酒のなかでも少量生産超限定酒だということです。
寒菊銘醸について
山武市は2006年に4つの町が合併して出来た市で、蓮沼海浜公園があり九十九里浜に面しています。寒菊銘醸の最寄り駅はJR総武本線松尾駅で、松尾町はその蓮沼町の隣にある内陸の町です。レギュラー酒は「総乃寒菊」「総乃九十九里」「Ocean99」などがあり、クラフトビール「KUJUKURI OCEAN」も醸しています。越後の「越の寒梅」のように房総ということで総乃という枕が付いているのでしょう。酒米は五百万石、山田錦、雄町、愛山、千葉県の酒米などを使用しています。
「寒菊 Beyond X」
千葉県産総の舞100%使用で29%精米です。千葉県産日本酒の未来にチャレンジしていくということで「Beyond」と名付けられました。ラベルは真ん中に水平線をイメージして、下半分は波に揺れているようになっています。寒菊らしいフルーティな香りに29%精米らしいキレイな口当たり、ですがほんのり甘味と旨味があるという絶妙な味わいです。
ちなみにこちらも、年に一度だけ醸す無濾過原酒にこだわった限定酒シリーズ「晴日 Special Yell」です。山田錦と赤磐雄町を50%精米という贅沢な逸品。「ハレノヒ」を迎える季節(3月発売)に向けた応援酒という位置づけですかね。
こちらの味わいは、フルーティな香りはもちろんのこと、酸味、甘味、旨味が絶妙なバランスで、どちらかというとこっちのほうが好みなのですが、どちらも高いレベルで美味しいです。
最近、人気が高まっていて、早めに売り切れてしまうことが多い「寒菊」ですが、美味しさだけでなく「限定酒」シリーズがうまく訴求しているのかもしれませんね。