今回は、静岡県沼津市原で1804(文化元)年創業の高嶋酒造「白隠正宗 純米吟醸」です。久しぶりに「政宗」シリーズとなりました。
高嶋酒造について
高嶋酒造のある東海道線の原駅は海岸沿いにあり、もともと網元だった創業者が個人で酒造業を始め、現在に至るそうです。個人とはいっても酒のレベルは高かったのでしょう。1884(明治17)年に、臨済宗中興の祖と言われた白隠禅師(高嶋酒造がある沼津市原の出身)が正宗国師の諡号を与えられた際の勅使として、蔵を訪れた山岡鉄舟が呑んだ酒に「白隠正宗」と名付けたというエピソードがあるそうです。地元の有名人にあやかった形になったということですね。
「白隠正宗 純米吟醸」
兵庫県産山田錦100%使用で50%精米です。酵母は他の酒と同様「静岡酵母NEW-5」です。有機酸が少なく、淡麗、吟醸香高いとされる酵母ですが、実際に呑んでみると、香りはそれほどありません。酸味はあまりなく、淡麗は合ってますね。辛口に仕上がっていて、甘味は感じません。少し温度が上がると旨味とほんのり甘味を感じます。食中酒としていいですが、それには少々値段が高いかも・・・という印象です。
静岡県の日本酒(伊豆地方を除く)は、磯自慢、開運、英君などスッキリフルーティなイメージがあったので、この味わいは意外でした。