今回は、青森県八戸市で1775(元文5)年創業の八戸酒造「陸奥八仙 純米大吟醸 裏ラベル」です。創業以来、移転と合併を繰り返しましたが、現在は八戸港近くの湊町にあります。
八戸酒造について
1910(明治43)年に現在も醸されている「陸奥男山」を商標登録し、日本全国にある「男山」という酒名のなかでも最初の銘柄となりました。仕込み水は八戸・蟹沢地区の名水を使用、現在の八代目蔵元は青森県の地酒として県産の米と酵母にこだわり、平成に入って「陸奥八仙」の醸造を開始して全国に知られることとなります。蔵は八戸港に近く、八戸でもっとも高い「グレットタワーみなと」の近くにあります。また、最寄りの陸奥湊駅前通りでは月曜から土曜まで「朝市」も行われていてにぎわっています。八戸の朝市は観光地として有名ですね。
「陸奥八仙 華想い50 純米大吟醸 裏ラベル」
青森県産華想い100%使用で50%精米です。通常品の「華想い50 純米大吟醸」は中取りですが、これは荒ばしりと責めの部分のブレンドとなっています。通常、裏ラベルは最後の責めの部分が主になっていますが、最初の荒ばしり部分があることで、控えめですがガス感があります。柑橘系のガムのような香りがあり、最初に酸味を感じると同時に苦みがあり、旨味も感じます。甘味はほぼありません。苦みを感じると他の味覚が勝てないので、重い感じの酒となっていますね。
「陸奥八仙」は種類豊富で、フルーティからドライな品揃えですが、これはそれらのどれとも違う感じの味わいですね。比較的好きな銘柄なので、異なる味わいが新鮮でした。
裏ではない普通の「陸奥八仙」はこんな感じです。手ごろな価格で愉しめる旨い酒ですね。
追伸:購入して開栓した後、冷蔵庫で5日保存して呑んでみると、甘味が増していて苦みが相殺気味になり、とても爽やかな感じに変わっていました。ガスっぽい酸味と甘味で美味しいうえに、少なくなった苦みによってキレていくので、いい感じに熟成したということでしょうか。裏ラベルは少し置いた後がいいのかもしれません。