「住吉」は、くどき上手や十四代といった銘酒が揃う山形県でも、個性的な味わいが人気の辛口日本酒です。
華やかな吟醸香を持つ地酒が多い中、昔ながらの伝統製法を貫く「住吉」は杉の香りが香る琥珀色の純米酒。木の樽で仕込む「樽酒」を好む方にとって、たまらない魅力に溢れています。
こちらでは、日本酒好きなら知っておきたい「住吉」の特徴と代表銘柄、購入方法などについてご紹介していきます。
目次
1.日本酒の住吉とは
「住吉」は、伝統的な製法で造られる「無炭素ろ過」の辛口純米酒です。
日本酒を造るためには、醪(もろみ)を絞った液体を「ろ過」をすることで色を透明にし、香味の調整を行う必要があります。この際に余分な酸味を取り除き、味を中和させるために使用するのが活性炭素です。
しかし、「住吉」は日本酒本来の旨味を引き出すために、活性酸素を全く使用しない「無炭素ろ過」にこだわるお酒。さらに、木製樽から生まれる個性的な香りがファンから根強く支持されています。
「これぞ日本酒の中の日本酒」と言われるほど強いこだわりと個性が感じられる「住吉」は、一風変わった日本酒を飲みたいという方にもぜひオススメしたい銘柄です。
1-1.酒造元について
「住吉」を造るのは、山形県の老舗酒蔵「樽平酒造」です。創業は元禄年間(1695年頃)と、その歴史は約300年。昔ながらの伝統的な製法にこだわる樽平酒造の日本酒は、すべて純米酒に仕上げられています。
原料の酒米は減農薬で栽培し、製造過程では木製の道具を使用。代表酒である「樽酒」は、吉野杉の最上級である「甲付樽(こうつきだる)」に入れて仕込まれます。
ほんのりと黄色く色づき、杉の香りと酸味を感じる味わいは、伝統的な製法で造られた日本酒の証。酒どころ山形県の中でも、どこまでも本物の酒を追い求め自分たちの味を貫き通す酒蔵です。
1-2.住吉という名の由来
「住吉」の名前は、古くから「すみよっさん」の愛称で親しまれている大阪の住吉大社に由来しています。カラフルな色使いのラベルに描かれるているのは、大社の欄干(らんかん)。由緒正しい伝統製法にふさわしい縁起の良さも「住吉」の人気のひとつとなっています。
2.住吉の種類と値段について
「住吉」は、厳選した原料と伝統製法にこだわりながらも、リーズナブルな価格帯であることが人気のお酒です。
蔵元「樽平酒造」の公式サイトを参考に、代表銘柄の容量と価格(税込)についてご紹介するのでぜひ参考になさってくださいね。
特別純米酒 金住吉 | 1800ml 4,000円 900ml 2,20円 720ml 1,670円 |
特別純米酒 銀住吉 | 720ml 1,601円 |
特別純米酒 辛口銀住吉 | 1800ml 2,490円 900ml 1,271円 700ml 1,051円 180ml 345円 |
2-1.住吉 特別純米酒 金住吉+5
「金住吉」は、吉野杉の樽で長期間熟成させた特別純米酒です。日本酒度+5と辛口にあたり、どっしりとした芳醇な旨味が魅力。
辛さだけではなく、強い甘みとともに後口には日本酒本来の苦みを感じることもできます。
(出典元:amazon.com)
評判
「これぞ住吉」という樽酒の魅力が詰まった「金住吉」は、スモークチーズやからすみ、干物といったクセのある料理との相性も抜群の銘柄です。
冷やはもちろん、常温から人肌程度のぬる燗で飲むことでより一層米の旨味が広がります。古酒のような熟成感がお好きな方にぜひオススメしたい1本です。
2-2.住吉 特別純米酒 銀住吉+5
「銀住吉」は、原料に山形県産のササニシキを使用したお酒。口にふくむと、ふわーっとやさしい樽の香りが広がるのが特徴です。
酸味と旨味のバランスに優れ、ササニシキならではの米の旨味が感じられる銘柄となっています。
(出典元:amazon.com)
評判
辛口純米の「銀住吉」は、甘みの後にコクのある辛みが際立つ日本酒。初めは常温で、次に燗酒でと、味の変化を楽しみながら普段の食事に合わせたい1本です。
180mlの小瓶も販売されているので、住吉の樽香を試してみたいという方にもオススメです。
2-3.住吉 特別純米酒 極辛口銀住吉+7
長期熟成による香りと豊かな味わい、喉越しの良さが魅力の1本が「極辛口銀住吉」です。日本酒度は+7と、辛口純米の代表格としても知られています。
(出典元:amazon.com)
評判
辛さ際立つ「極辛口銀住吉」は、日本酒通から高い人気を得ている純米酒。万人受けを目指さず、こだわりを貫く酒蔵の魅力に溢れた1本です。
「もっと辛口の個性的な日本酒を飲んでみたい」という方には、日本酒度+10の「超辛口住吉」もオススメですよ。
3.住吉の購入方法
日本酒通をうならせる「住吉」は、全国の大手百貨店や地酒小売店、ネットショップで購入することができます。こだわりの伝統製法で生まれる味わいが気になるという方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
3-1.住吉が購入できる実店舗
「住吉」を購入できる実店舗が、蔵元が経営している山形県の「樽平酒店」です。その他、全国の取り扱い百貨店や小売店は公式サイトから確認することもできます。
樽平酒店 | 山形県東置賜郡川西町中小松2886 0238-42-3101 |
住吉取扱店一覧 | http://www.taruhei.co.jp/top.html |
3-2.住吉が購入できる通販サイト
「住吉」は、公式通販サイトから全種類購入することができます。送料は1箱単位となっているため、まとめ買いするほどお得になるのもポイントです。
樽平商店ネット販売 http://www.taruhei.co.jp/saketen/index.html
4.住吉の美味しい飲み方・楽しみ方
「住吉」の樽香と独特の味わいは、常温で飲むことでより一層おいしく楽しむことができます。ただ、やはり夏には冷酒、冬になると熱燗も恋しくなりますよね。その際は、冷やは5~10℃、燗酒であれば35~40℃のぬる燗を目安にするのがポイント。
新鮮なお刺身や濃厚な肉料理、からっと揚げた天ぷらなど、どんな料理にも引けを取らない「住吉」の旨味を感じることができますよ。
4-1.-5度で保管?
お気に入りの日本酒を保存するときに気を付けたいのが温度管理です。完全に殺菌して瓶詰めされた日本酒であっても、決して劣化しないというわけではありません。
特に、酵母を発酵させて造る日本酒は温度変化に敏感。高温多湿の環境では、中身の成分が化学変化を起こし味に影響を及ぼす場合もあります。
そんな日本酒の保管に最適な温度が、酵母の働きを抑える-5度。-5度の環境で保存することで、いつでもできたてのフレッシュな味わいをキープすることができるのです。
特に、火入れをしていない生酒や香りが特徴の吟醸酒などは、低温保管を心がけることをオススメします。
5.住吉の焼酎
「住吉」を醸造する樽平酒造では、その技法を活かした本格焼酎も造られています。
5-1.粕取り焼酎「たるへい」
日本酒を仕込む際に生まれるササニシキの酒粕を原料にした焼酎です。熟成期間は20年~30年と、じっくり寝かせて仕込んだ粕取り焼酎は、とろけるようにまろやかな旨味に溢れています。
5-2.米焼酎「めんこい」
純米酒を蒸留した贅沢な焼酎が「米焼酎 めんこい」です。小花柄のラべルに瑠璃色のボトルは、女性へのプレゼントにもぴったり。クセのない爽やかな後口で、焼酎を飲みなれない方にもオススメの銘柄となっています。
5-3.住吉の焼酎の飲み方
オススメの飲み方は湯割りロックがイチオシです。オンザロックで楽しむもよし、ストレートで楽しむもよし、それぞれ住吉の焼酎の味わいをしっかりと堪能できるオススメの飲み方です。
6.まとめ
「住吉」は、辛口の日本酒や芳醇な香りの樽酒が好きという方にオススメしたいお酒です。日本酒本来の酸味と旨味を感じられる「住吉」は、燗酒で日本酒を味わいたい方にも最適の1本となっています。
ぜひ好みの料理と一緒に、酒蔵こだわりの「住吉」の香りと味を楽しんでみて下さいね。