日本酒度とは、お酒の比重を数値で表したものです。水との比重を測定し、+(プラス)と-(マイナス)で表記されます。一般的に、日本酒度がプラスであるほど辛口、マイナスであるほど甘口のお酒です。
今回は、日本酒度について詳しく解説します。日本酒の味を構成する酸度も紹介するので、ぜひ日本酒選びの参考にしてください。
目次
1.日本酒度とは
「日本酒度(にほんしゅど)」とは、日本酒の甘さや辛さの目安となる数値のことです。「0」を基準に、甘口であるほど「-(マイナス)」、辛口であるほど「+(プラス)」で表記されます。
日本酒度の確認方法
日本酒度は、15℃の日本酒を注いだシリンダーに「日本酒度計」と呼ばれる重りのついた浮秤(うきばかり)を浮かべて計測します。
糖分の多い甘口のお酒は水よりも重たくなるため、水の方が軽いことを示す「-」。反対に、糖分が少ない辛口のお酒は軽く、水の方が重たくなるため「+」というわけです。
日本酒度の数値は、もろみを搾るタイミングを見極める際に用いられます。もろみとは、蒸した米や米麹、酒母(しゅぼ)、水などを発酵させた白い液体のことです。発酵させたもろみを搾ると、私たちが普段目にするような日本酒ができあがります。
もろみの品質管理のため、酒蔵では日本酒度だけでなく、アルコール度数や酸度、アミノ酸度などが日々分析されています。
2.日本酒度と酸度
酸度とは酸っぱさではなく「芳醇(ほうじゅん)」や「淡麗(たんれい)」といった旨味やキレを表す数値のことです。およそ1.5~1.7を基準に、酸度が高いほど濃醇、低いほど淡麗な味わいの日本酒に仕上がります。
日本酒の複雑な味わいは、日本酒度と酸度の組み合わせによって生まれます。つまり、日本酒度と酸度の数字によって、お酒の大まかな味わいがわかるというわけです。
上の図にあるように、酸度が高く日本酒度がマイナスのお酒は、濃醇で甘口の味わいになります。反対に、酸度が低く、日本酒度がプラスの日本酒は、淡麗辛口のスッキリとした味わいが特徴です。
日本酒のラベルには、日本酒度や酸度が記載されているものもあります。2つの数値を見つけたら、日本酒選びの参考にしてみてくださいね。
3.味わいの感じ方は人それぞれ
一定の指標はあるものの、日本酒の「甘い」「辛い」といった感じ方は人それぞれです。同じお酒を口にしても「甘いお酒」と感じる人もいれば、「キリッとした辛口のお酒」と感じる人もいます。
その理由は、日本酒度や酸度以外にも「アミノ酸度」や「香り」が味わいに影響するからです。アミノ酸度は、日本酒に欠かせないコクと旨味を生み出します。また、フルーティーな香りのお酒は「甘いお酒」という印象を飲み手に与えやすいのが特徴です。
前述したように、数字はあくまでも味の目安のひとつです。日本酒度や酸度を気にしながらいろいろなお酒を楽しめば「自分は日本酒度が甘口寄りのお酒がすきなんだな」といった好みが見えてくるかもしれません。
日本酒のなかには、日本酒度が極端にプラス寄りの「超辛口」をうたう銘柄もあります。自分好みのお酒がいつも日本酒度プラスであれば、そんな銘柄にチャレンジしてみるのもいいですよね。
日本酒は、多くの人に寄り添う味の幅の広さが魅力です。数字を参考にしつつ「どっしりとコクのあるお酒がすき」、「冷やして飲むスッキリタイプのお酒がすき」など、ぜひ自分好みの味わいを見つけてみてください。
まとめ
日本酒度や酸度の数値は、お酒の個性を知るヒントのひとつです。酒蔵ではそれらの数値を分析し酒造りが行われています。ラベルに日本酒度や酸度の文字を見つけたら、ぜひ味わいを思い浮かべてみてください。日本酒選びがもっと楽しく奥深いものになりますよ。