「陸奥八仙」(むつはっせん)は、辛口日本酒として知られる「陸奥男山」を造る八戸酒造で誕生したブランドです。青森県の米と水、そして酵母にこだわって生まれるお酒は、芳醇旨口でおだやかな甘みが特徴。今では陸奥男山とともに、青森を代表する地酒としてその名が知られています。
果実を思わせるような香りの陸奥八仙は、ゆったりと日本酒の旨味を楽しむお酒に最適。今回は、陸奥八仙の特徴やおすすめ銘柄、購入方法をご紹介します!
目次
1.日本酒の陸奥八仙(むつはっせん)とは
陸奥八仙は、8代目・駒井庄三郎氏によって1998年(平成10年)に誕生した銘柄です。芳醇旨口でフレッシュな味わいが魅力の陸奥八仙は、普段日本酒を飲み慣れない方にもおすすめのお酒。果実のような香りとおだやかな旨味を持つ「赤ラベル」は、陸奥八仙の入門編として親しまれています。
原料に使用される米は、すべてが青森県産。仕込み水は地元の蟹沢名水、酵母は青森県オリジナル酵母と、どこまでも「青森産」にこだわって造られるお酒です。
環境と健康に配慮した陸奥八仙は、安心・安全でなにより美味しいことがポリシー。「2019IWC」(インターナショナルワインチャレンジ)では純米大吟醸が金賞を受賞。同年にフランスで開催された「KURA MSTER」ではプラチナ賞を受賞するなど、確かな酒質は海外でも高く評価されています。
1-1.酒造元について
陸奥八仙を造る八戸酒造は、1775年(安永4年)創業の老舗酒蔵です。大正年間に建設された6つの建造物は文化財にも指定され、地域のシンボルとして広く親しまれています。
創業銘柄である「陸奥男山」は、地元の漁師町で古くから愛されてきた辛口の日本酒。主要銘柄として肩を並べる「陸奥八仙」は、なめらかな口当たりとみずみずしい甘さでファンを広げています。
近年は自然の田んぼの再生を目指し「がんじゃ自然酒倶楽部」を設立。会員とともに米栽培を手掛けるなど、環境保全に配慮した酒造りも注目を集めています。
1-2.陸奥八仙という名の由来
陸奥八仙の名は、中国の故事「酔八仙」の名に由来しています。酔八仙は、8人のお酒の仙人にまつわる逸話や酒の楽しみ方をつづった物語。陸奥八仙は、「仙人の境地で酒を楽しんでもらいたい」という蔵の想いが込められた名前です。
辛口の「陸奥男山」が男酒と呼ばれるのに対し、陸奥八仙はやわらかな女酒にも匹敵するお酒。それでいて程よいキレを持ち合わせ、多くの日本酒ファンから人気を得ています。
2.陸奥八仙の種類と値段について
陸奥八仙は、手ごろな価格の純米酒からハイスペックな純米大吟醸まで、幅広い種類を取りそろえたお酒です。主要ブランドとなる特別純米酒は、1本1000円台から購入できます。化粧箱に入った銘柄は1本あたり7000円台と、お歳暮やギフトに適した価格帯もポイント。ぜひお好みの1本を見つけてみてくださいね。
2-1.特別純米
精米歩合 (麹米/掛米) | 酒米 (麹米/掛米) | 価格 |
55/60% | 華風吹/まっしぐら | 300ml:715円(税込) 720ml:1650円(税込) 1800ml:3080円(税込) |
評判
芳醇旨口、ほんのりした甘さが特徴の陸奥八仙の中でも、キレの良さが際立つ飲み飽きしない銘柄です。原料米に使用するのは、青森県のブランド米「まっしぐら」。香りはおだやかで、口に含むと陸奥八仙らしいおだやかな甘みが感じられます。
すいすいと飲み進められる特別純米は、日常の晩酌にも仲間と楽しむお酒にもぴったり。ブランド誕生時から愛されている陸奥八仙のレギュラー品です。
(出典元:八戸酒造公式)
2-2.黒ラベル 純米吟醸 火入
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
55% | 華風吹 | 720ml:1980円(税込) 1800ml:3850円(税込) |
評判
陸奥八仙のレギュラー品の中でも、トップブランドにあたる銘柄です。香りは上品で飲み口は軽やか。ハイクオリティな味わいを手ごろな価格で楽しめる、コストパフォーマンスにも優れた1本になります。
やや辛口の味わいは、こってりとした肉料理や洋食にもぴったり。酒米・華吹雪の芳醇な旨味を堪能できる特別な銘柄です。
(出典元:八戸酒造公式)
2-3.大吟醸
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 青森県産米 | 720ml:3630円(税込) 1800ml:7150円(税込) |
評判
お歳暮やギフトにもふさわしい、陸奥八仙の最高峰にあたる銘柄です。専用の化粧箱におさめられ、高級感あふれる仕上がりとなっています。
蔵内で約半年間熟成させることで、華やかな香りとまったりした甘みを実現。繊細さを残しながらも味に深みがあり、適度に冷やせば味のキレも感じられます。好みの料理とともに、青森県産の米の旨味をゆっくりと味わいたくなる1本です。
(出典元:八戸酒造公式)
2-4.華想い40 純米大吟醸
精米歩合 | 酒米 | 価格 |
40% | 華想い | 720ml:3630円(税込) 1800ml:7150円(税込) |
評判
華やかな香りが際立つ、陸奥八仙のトップブランドです。一粒の米を半分以上精米して生まれる純米大吟醸の香りは、果実のように甘くまろやか。味わいは軽やかで、清涼感にあふれた仕上がりです。
フルーティーな香りが際立つお酒は、日本酒を飲み慣れない方にもおすすめ。適度に冷やし、ワイングラスに注いでも美味しいお酒です。
(出典元:八戸酒造公式)
2-5.芳醇超辛 純米 火入
精米歩合 (麹米/掛米) | 酒米 (麹米/掛米) | 価格 |
55/65% | 華吹雪/まっしぐら | 720ml:1870円(税込) 1800ml:3300円(税込) |
評判
陸奥八仙らしい芳醇な旨味を残しながら、キリッとした辛口の旨味を楽しめる1本です。口に含むとまず感じるのは、適度な酸味と豊かなコク。後味は超辛口の名のとおり、キレの良い余韻が残ります。
漁師町で生まれた超辛口の陸奥八仙は、新鮮な魚介類と合わせて楽しみたいお酒。辛口好きも納得のハイスペックな純米酒です。
(出典元:八戸酒造公式)
3.陸奥八仙の購入方法
陸奥八仙は、全国の正規取扱店と通販サイトで購入可能です。酒蔵の求める味わいそのものの美味しいお酒を購入するためには、日本酒の管理の行き届いたお店を選ぶのがポイント。こちらではおすすめショップの一部をご紹介します。
3-1.陸奥八仙が購入できる実店舗
陸奥八仙の正規取扱店は、公式サイトで確認できます。人気商品は品切れになっていることもあるため、お求めの際は事前に確認してから足を運んでみてくださいね。
3-2.陸奥八仙が購入できる通販サイト
陸奥八仙は大手通販サイトでも購入できますが、正規の価格ではない価格で販売されていることがあるので注意が必要です。また、日本酒を専門に扱っていないお店では、品質管理が行き届いていない場合もあります。
直接商品を手にすることができない通販サイトは、日本酒に適した保存管理を行っている専門ショップを選ぶのがおすすめ。酒蔵が求める酒質そのままの、本当に美味しい陸奥八仙を購入することができますよ。
4.陸奥八仙の美味しい飲み方・楽しみ方
芳醇な旨味が特徴の陸奥八仙は、適度に冷やすことでよりすっきりとした味わいを楽しめる日本酒です。漁師町で生まれる日本酒らしく、魚介類との相性もばつぐん。冬にはあたたかい鍋料理をつつきながら、ゆったりと味わうのもおすすめですよ。
4-1.-5度で保管?
購入した陸奥八仙を美味しく保管するためには、温度管理がポイントとなります。日本酒は温度による酒質の変化を受けやすいお酒。蔵直送の味わいをキープするために理想的な温度帯は、酵母の働きがストップする-5℃だと言われています。
とはいえ、家庭用の冷蔵庫では-5℃をキープするのは簡単なことではありません。そこでおすすめしたいのが、日本酒専用に開発された冷蔵庫「日本酒セラー」です。日本酒に大敵な紫外線を避けつつ、-5℃をキープできるセラーなら、一度開栓した日本酒も美味しいまま保管できます。
日本酒セラーがない場合には、紫外線のあたらない冷暗所で縦置きで保管するのがおすすめ。日本酒は空気に触れると酸化しやすくなるため、開戦後はなるべく早く飲みきるように心がけてくださいね。
5.陸奥八仙の期間限定品
陸奥八仙は、季節に合わせたさまざまな銘柄を展開しているお酒です。ブルー、緑、オレンジ、シルバーと鮮やかなカラーをテーマに四季折々の味を表現しています。
5月の「ブルーラベル 夏吟醸」は、アルコール度数控えめのさっぱりした味わいの日本酒。火入れ後に熟成させた「緑ラベル」は、まろやかな旨味が特徴の純米酒です。
紅葉を思わせるボトルが美しい「オレンジラベル 純米吟醸」は、冷やでもぬる燗でも味が花開くひやおろし。12月には、新酒ならではのフレッシュな旨味が楽しめる生原酒「シルバーラベル 吟醸あらしぼり」が登場します。ファンを飽きさせない味のバリエーションも、陸奥八仙の人気の理由と言えるでしょう。
6.まとめ
漁師町で生まれた陸奥八仙は、新鮮な魚介類との相性にすぐれた芳醇旨口のお酒です。華やかな香りとふくよかな旨味は、日本酒をゆったり味わいたいという方にも好まれています。
季節や味の好みに合わせた豊富なバリエーションも、日本酒を楽しんでもらいたいという酒蔵の想いがあってこそ。安心・安全な材料と製法で生まれる確かな味わいを、ぜひ楽しんでみてくださいね。