「真澄(ますみ)」は、信州を代表する日本酒です。醸造元は、「七号酵母」と呼ばれる酵母の発祥蔵でもあります。
江戸時代からの伝統を誇る真澄は、新しい定番酒を皮切りにブランドコンセプトを一新。今回は、「上質な食中酒」を目指して造られるラインナップの数々を紹介します!
飲みやすい低アルコールタイプからこだわりの本格派まで、真澄が自信をもっておくるお酒の数々、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
1.「真澄」とは
「真澄(ますみ)」は、食事に寄り添う上質な食中酒として知られる日本酒です。原材料には、地元長野県産の“美山錦(みやまにしき)” や“ひとごこち” を中心に、厳選した兵庫県産の酒米を使用しています。
真澄のなめらかな味わいを生み出すキーとなるのが、信州の山々から流れる伏流水。仕込み水に使われるのは、八ヶ岳や南アルプルの地層をゆっくりとくぐり抜け、地表へと流れ出た天然水です。
国内の全国新酒鑑評会から海外のコンペティションまで、真澄の輝かしい受賞歴は数えきれないほど。
人、自然、そして時を結ぶことをテーマにしている真澄は、日本酒が料理とあわせて美味しいお酒であることや、誰かと酌み交わすお酒の喜びを飲み手へと伝えてくれます。
2.真澄を造る「宮坂醸造」とは
真澄を造る「宮坂醸造(みやさかじょうぞう)」は、長野県諏訪市に位置する酒蔵です。創業は江戸時代にあたる1662年(寛文2年)。以来、350年以上もの間その伝統は受け継がれてきました。
今では世界へとその名が知られる真澄も、大正時代には廃業の危機を迎えていたそう。そんななか、酒蔵の革命に売って出たのが蔵を任された宮坂 勝氏です。
勝氏は大胆にも熟練の職人を退職させ、自分と同年代の若き職人を杜氏に抜擢。公共交通機関が発展していなかった時代に2人で全国の酒蔵を巡り、酒造りの水準を向上させていきます。
やがて努力が実を結び、1943年(昭和18年)には、全国新酒鑑評会で真澄が1位から3位を独占。真澄の名は、名実ともに全国へと広がっていきました。
七号酵母を生んだ蔵
上質な酒を生み出す真澄は、「七号酵母」の発祥蔵として知られています。
酵母とは、米や水、米麹とともに、日本酒造りに欠かすことができない要素。日本酒の味や香りに大きく影響し、さまざまな種類があります。
真澄の酵母が「七号」と名付けられたのは、1946年(昭和21年)のこと。真澄の品質の良さに着目し、蔵を調査した研究者の手により、新酒の酵母「七号酵母」は発見されました。現在も、七号酵母(協会七号酵母)は日本醸造協会によって全国の酒蔵へと頒布されています。
3.真澄の銘柄の種類は大きく分けて5つ
真澄のラインナップは、大きく次の5つに分かれます。
- 昔ながらの真澄
- こだわりの真澄
- 極上の真
- 泡を楽しむ真澄
- 季節の真澄
宮坂醸造では、2019年(令和元年)に七号酵母への原点回帰を決意。酒蔵から新たに酵母を採取し、選抜を重ねたうえで優良酵母「七号系自社株酵母」を発見しました。ラインナップの数々にも、新たな真澄の個性を生み出すこの酵母が使用されています。
3-1.昔ながらの真澄
「昔ながらの真澄」は、古くから愛され続けてきた真澄の定番酒です。祭りで、祝いの席で…信州の人々の間で酌み交わされてきた伝統の味わいが活きています。
3-2.こだわりの真澄
「上質な食中酒」というブランドコンセプトを明確にした「こだわりの真澄」。海外の方が色で自分の好みを見つけられるよう、ラベルには日本の伝統色が採用されています。
3-3.極上の真澄
「極上の真澄」が目指すのは、究極の食中酒です。醪(もろみ)の入った袋をからこぼれる雫を集めた“袋吊り”のお酒や、お酒を搾る際にもっとも美味しいといわれる“中取り部分”を集めた銘柄が並びます。
3-4.泡を楽しむ真澄
乾杯のシーンにも、真澄の味わいを。「泡を楽しむ真澄」は、シュワシュワと泡立つスパークリング酒です。アルコール度数は低めに設定され、日本酒を飲み慣れない方も気軽に真澄の美味しさを楽しめます。
3-5.季節の真澄
新酒が出る冬から春、夏、秋と、1年をかけ4本リリースされる「季節の真澄」。季節のうつろいとともに変化する自然のように、表情を変える味わいを堪能できます。
4.昔ながらの真澄の種類・ラインナップ
4-1.真澄 辛口生一本
時代に合わせ改良が重ねられ、進化し続けてきた定番辛口酒です。華やかな香りとやわらかな甘味、ドライな味わいが共存しています。苦みが美味しい鮎の塩焼きやフキノトウの天ぷら、ハーブを使った料理とも相性のよいお酒です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
4-2.真澄 奥伝寒造り
米と米麹のみで仕込まれた、豊かな味わいの純米酒です。原料米には、長野県産の3種の酒米が使用されています。燗酒にして盃に注げば、米の甘い香りがふんわりと。信州味噌や醤油を使った料理にもおすすめの銘柄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
4-3.真澄 YAWARAKA TYPE-1
アルコール度数は12度と、低アルコールタイプの日本酒です。日本酒を飲み慣れない方が手に取りやすいよう、ラベルはスタイリッシュなデザインに仕上げられています。さわやかな香りとライトな飲み口は、上質な白ワインを思わせるよう。カジュアルなシーンでも活躍する上質な1本です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
5.こだわりの真澄の種類・ラインナップ
5-1.真澄 真朱(AKA)
「山廃(やまはい)」と呼ばれる、自然の乳酸菌の力を借りる製法で生まれたお酒です。複雑かつ繊細な、滋味深い味わいを堪能できます。スルメやカラスミ、イカの塩辛といった酒の肴と好相性。意外なところでは、チーズを使った洋食と合わせるのもおすすめです。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
5-2.真澄 漆黒(KURO)
冷酒から燗酒まで、幅広い温度帯で実力を発揮する「漆黒(KURO)」。日常のお惣菜からハレの日の料理まで、合わせる料理を選びません。「4つのなかで迷ったらまずはコレ」とおすすめしたい、こだわりの真澄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
5-3.真澄 白妙(SHIRO)
白妙(しろたえ)とは、樹木の皮の繊維で織った白い布のこと。軽やかでやさしい口当たりは、なめらかな布の手触りを思わせるようです。アルコール度数は12度と飲みやすく、繊細な味わいの和食にもよく合います。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
5-4.真澄 茅色(KAYA)
あえて精米する度合いを抑えた信州米を使用。おだやかな香りのなかで、芳醇な旨味がじわっと広がる純米酒です。焼き魚やブリ大根、肉じゃがなど、ご飯におかずを合わせるイメージでお酒のおともを選んでみてください。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
6.極上の真澄の種類・ラインナップ
6-1.真澄 夢殿(ゆめどの)
精米歩合(せいまいぶあい)は35%と、小さく磨き上げた酒米を使用。ていねいに仕込んだ醪(もろみ)を袋で吊るし、こぼれる雫を集めた日本酒です。白い花を思わせる上品な香りを持ち、味わいはどこまでもクリアでのびやか。明治から受け継がれてきた、真澄最高峰の銘柄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
6-2.真澄 七號(ななごう)
長野県木島平村産の特別栽培米“金紋錦”を原料に、七号系自社株酵母で仕込んだ「七號(ななごう)」。さらに、昔ながらの山廃づくりを採用し、信州真澄ならではの味わいを生み出しています。心地よい旨味の余韻が続く、贈答用にもおすすめの銘柄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
6-3.真澄 山花(さんか)
山花(さんか)がイメージしているのは、八ヶ岳に咲く可憐な野の花々たち。グラスの口からは、飲み手を野山へいざなうような爽やかで品のよい香りが広がります。淡白な味わいの和食に合わせるほか、ワイングラスに注いで洋食と合わせても◎。海外からも高い支持を得ている銘柄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
7.泡を楽しむ真澄
7-1.真澄 スパークリング
乾杯のシーンを華やかに彩る「真澄 スパークリング」。甘さを控えたスッキリした味わいは、日本酒ラバーはもちろん日本酒ビギナーにもおすすめです。泡酒になっても真澄の本質は変わらず、和食から洋食まで料理にあわせる食中酒として楽しめます。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
7-2.真澄 スパークリング Origarami
「おりがらみ」とは、お酒を搾ったときに出る固形物、滓(おり)をあえて残した日本酒のこと。スパークリング酒の爽快感はそのままに、ほんのりとクリーミーな風味を楽しめます。乾杯の1杯はもちろん、デザート酒にもおすすめの銘柄です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
7-3.真澄 突釃(つきこし)
江戸時代におこなわれていた、特別なろ過の手法を再現した日本酒です。タンクに特性の筒を沈め、ゆっくりと滲み出た酒を集めています。シュワッとした微発泡感と華やかな香りを楽しめる、希少性の高い1本です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
8.季節の真澄の種類・ラインナップ
8-1.真澄 あらばしり
「あらしばり」とは、お酒を搾ったときに一番初めに取れる部分のことです。季節の真澄のあらしばりが販売されるのは、新酒の出荷が始まる冬の季節。加熱殺菌処理や加水調整をしていない「生原酒」のため、フレッシュかつ飲みごたえのある味わいを楽しめます。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
8-2.真澄 うすにごり
信州に舞う淡雪を思わせる「うすにごり」は、春の到来を告げるお酒です。うっすらと滓をまとい、旨味と甘味、酸味の調和を生み出しています。微発泡感が心地よく、春の食材とのペアリングを楽しみたくなる1本です。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
8-3.真澄 すずみさけ
「すずみさけ」と名付けられた季節の真澄は、夏の限定商品です。白麹を使い、さわやかな酸味を引き出しています。暑い夏の日には、ロックスタイルで楽しむのもおすすめです。スイスイと喉元を通り過ぎる軽やかな旨味を楽しんでみてください。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
8-4.真澄 ひやおろし
「ひやおろし」とは、冬から春にかけて仕込んだお酒を、ひと夏寝かせた日本酒のこと。一定期間熟成させることで、まろやかなコクが生まれます。伝統製法・山廃で仕込んだ真澄のひやおろしは、より一層奥行きのある味わいに。秋の味覚と合わせて楽しみたい豊かな旨味があふれています。
(出典元:宮坂醸造株式会社)
まとめ
江戸時代から続く伝統の味わいを、ブラッシュアップしながら未来へとつなげていくお酒「真澄」。そこには多くの日本酒の基盤となっている「七号酵母」への熱い思いがあふれています。
新たに「七号系自社株酵母」を生み出し現在のラインナップにたどり着いたのも、日本酒の魅力をより多くの人に伝えたいという思いがあるからこそ。
低アルコール酒にスパークリング酒、こだわりのお酒と豊富なラインナップのなかから、ぜひ自分好みの「真澄」を見つけてみてくださいね。