福井県の「黒龍(こくりゅう)」は、大吟醸(だいぎんじょう)の代表格として知られる日本酒です。香り高くスッキリとした味わいは、多くの日本酒ファンに愛され続けています。
また、豊富な商品バリエーションも人気の理由のひとつ。今回は、日本酒ビギナーにぴったりの1本から贈答用にふさわしい銘柄まで、黒龍のラインナップを紹介します!ぜひ、お気に入りの1本を見つけてみてくださいね。
目次
1.「黒龍」とは
「黒龍(こくりゅう)」は、大吟醸の先駆けとして全国に名をはせるお酒です。仕込み水に使われるのは、九頭竜川の伏流水。自然のフィルターを通し山から川へと流れ込んだ水は、黒龍の軽くやわらかな口当たりの原点となっています。
酒米には、東条産の山田錦や福井県大野産の五百万石など、すべて酒造好適米を使用。米を磨く度合いを示す精米歩合は平均約50%と、米の美味しい部分だけを贅沢に用いたお酒です。
フルーティーな香りと繊細な味わいは、福井県の冬の名物でもある越前ガニとの相性もばつぐん。中でも、創業者の石田二左衛門からその名をとった「石田屋」と「二左衛門」は、黒龍のトップブランドとして日本酒好きから高い人気を得ています。
1-1.醸造元は「黒龍酒造」
黒龍酒造は1804年(文化元年)創業の福井県の老舗酒蔵です。「自然と人の調和、豊かな生活文化の創造」をポリシーに、伝統の酒造りを続けています。
1975年(昭和50年)には、全国に先駆けて大吟醸「龍」を販売。吟醸酒が市販化されていなかった時代に、「日本一高価な日本酒」として大吟醸は注目を集めました。以来、大吟醸・吟醸・純米吟醸と数々の吟醸酒の市販化に成功。現在は福井県だけでなく、全国に名をはせる吟醸蔵としてその名が知られています。
伝統の技法を重んじながらも「清酒の楽しみ方をもっと伝えたい」という思いから、ポットのお湯で手軽に燗酒を楽しめる「燗たのし」を開発。日本酒ビギナーのためのお酒「黒龍 吟のとびら」、小容量が計量できるグラス「黒龍 酒グラス」を展開するなど、日本酒普及のためにさまざまな取り組みも行う酒蔵です。
2.黒龍の銘柄の種類は大きく分けて5つ
黒龍の銘柄は、大きく5つの種類にわかれます。いずれもよく磨いた米を原料に低温発酵させる「吟醸造り」を基本とするお酒です。
- こだわりの酒
- 極みの酒
- 季節の酒
- 祝の酒
- 出会いの酒
高品質でありながら、求めやすい価格帯が多いことも人気の理由のひとつ。普段使いから贈答用まで、お酒を楽しむシチュエーションにあわせた銘柄が揃います。
2-1.こだわりの酒
「こだわりの酒」には、黒龍の定番酒ともいえるラインナップが並びます。多くが720mlあたり1,000円台と、求めやすい価格帯も魅力です。
2-2.極みの酒
「極みの酒」は、限定商品が多いことが特徴です。「石田屋」や「二左衛門」といった、黒龍のトップブランドも含まれています。日本酒通からの人気も高く、贈答用にもふさわしい銘柄が揃います。
2-3.季節の酒
「季節の酒」は、春・夏・秋・冬それぞれにリリースされます。キリッとした味わいの夏酒に、うっすら白くにごる冬の生酒など、日本の四季を感じさせるラインナップです。
2-4.祝の酒
「祝の酒」の黒龍は、2本セットの「つるかめ」や「福ボトル」など、祝いの席を華やかに彩るものばかりです。受注品や季節限定品のため、特別感も満載。大切な人への贈り物や、人生の節目に贈るお酒としても好まれています。
2-5.出会いの酒
「出会いの酒」は、美味しい日本酒との出会いをという願いを込めた「吟のとびら」と、仕込みにお酒を使った「貴醸酒」の2銘柄です。いずれも150ml容量が販売されているため、黒龍初心者や「貴醸酒を飲んでみたい」という方にもぴったりのラインナップといえるでしょう。
3.こだわりの酒のラインナップ
3-1.黒龍 ⼤吟醸
米をより多く削り、低温でじっくりと仕込む「大吟醸」の代表格ともいえる銘柄です。吟醸香(ぎんじょうこう・ぎんじょうか)と呼ばれるフルーティーな香りと、すっきりとした飲み口を楽しめます。箱付きの720mlのほか、気軽に楽しめる300mlも販売されています。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
3-2.黒龍 純吟
「純吟」とは純米吟醸酒のこと。醸造アルコールと呼ばれるアルコールを添加せず、米と米麹、水のみで仕上げたお酒です。使用しているのは、福井県産の酒米「五百万石(ごひゃくまんごく)」。米の旨味とさわやかな香りを堪能できます。
(出典元:黒龍酒造)
3-3.黒龍 いっちょらい
福井県の方言で「一張羅(いっちょうら)」を意味する「いっちょらい」は、黒龍人気の定番酒です。300mlあたり500円台とコストパフォーマンスに優れ、日々の食卓にちょっとした特別感をもたらしてくれます。
(出典元:IMADEYA ONLINE STORE)
4.極みの酒のラインナップ
4-1.黒龍 石田屋
「石田屋」は、黒龍酒造の創業時の屋号です。高級酒米として名高い兵庫県東条産の山田錦を小さくなるまで削り、中心部分のみをぜいたくに使用しています。毎年11月頃に限定販売される特別な1本です。
(出典元:黒龍酒造)
4-2.黒龍 二左衛門
創業者「石田屋二左衛門」の名をとった「二左衛門」は、蔵独自の方法で熟成させたお酒です。洋梨を思わせる香りは実にエレガント。ほのかな酸味の余韻を残し、上質な旨みがするりと喉元を通り過ぎます。
(出典元:黒龍酒造)
4-3.黒龍 純米大吟醸
春先に限定販売される黒龍です。うっすら琥珀色に輝くボトルには、こだわりの純米大吟醸が詰められています。越前漆器の外箱も美しく、春のお祝いの品にもふさわしい1本です。
(出典元:黒龍酒造)
4-4.黒龍 火いら寿
「火いら寿(ひいらず)」は、火入れと呼ばれる加熱処理をしていない生酒です。黒龍の生酒のなかでは最高峰。火入れをしていないお酒ならではのフレッシュな香りと、高級酒米「山田錦」が生み出す繊細な味わいを兼ね備えています。
(出典元:黒龍酒造)
4-5.黒龍 しずく
「しずく」は、酒袋を吊るし、自然にぽたぽたとこぼれる雫(しずく)を集めたお酒です。余分な圧力をかけずに絞ったお酒は、雑味のないきれいな味わい。年に3回リリースされる限定商品です。
(出典元:黒龍酒造)
4-6.黒龍 八十八号
「八十八号」とは、原酒を集めたお酒のタンクの番号のこと。末広がりで縁起の良い番号が付けられたお酒は、贈答用にもおすすめです。黒龍のなかでも、上品で繊細な味わいが際立っています。
(出典元:黒龍酒造)
4-7.黒龍 大吟醸 龍
1975年(昭和50年)に誕生した「龍」は、黒龍の名と大吟醸の味わいを世に知らしめた1本です。味と香りのバランスに優れ、食中酒としてのクオリティの高さが光ります。
(出典元:黒龍酒造)
5.季節の酒のラインナップ
5-1.黒龍 純吟垂れ口
「純吟 垂れ⼝」は、冬にリリースされるうっすら白くにごった生酒です。搾りたてのお酒を、加水せずに瓶詰した「原酒」になります。そのまま冷やで味わうのはもちろん、ぬる燗で米の旨味をゆったりと味わうのもおすすめです。
(出典元:黒龍酒造)
5-2.黒龍 春しぼり
「春しぼり」は、例年3月にリリースされる銘柄です。「垂れ口」と同様に、加水をしないしぼりたての原酒が詰められています。植物が芽吹く春の季節のように、フレッシュな香りと旨味、ほのかな苦みを楽しめます。
(出典元:黒龍酒造)
5-3.黒龍 夏しぼり
5月頃にリリースされる「夏しぼり」は、初夏の訪れを感じさせるみずみずしい味わいです。キリッとした味わいが引き立つ辛口タイプのお酒になります。暑い夏の午後には氷を入れたグラスに注ぎ、ロックスタイルで楽しむのもおすすめです。
(出典元:黒龍酒造)
5-4.黒龍 秋あがり
「秋あがり」は、一定期間熟成させた秋限定の黒龍です。奥深くふくよかな味わいは、キノコや秋刀魚といった秋の味覚とも好相性。冷やでも燗でも美味しく楽しめる日本酒です。
(出典元:黒龍酒造)
6.祝の酒のラインナップ
6-1.黒龍 つるかめ
「つるかめ」の名前に金銀のラベルカラーと、縁起の良い商品。オリジナルボトルには黒龍自慢の大吟醸が詰められています。塗り箱に納められた2本セットの黒龍は、お祝いの気持ちを伝える贈答品にもおすすめです。
(出典元:黒龍酒造)
6-2.黒龍 福ボトル
日本酒好きな方への贈り物に迷ったら、ぜひおすすめしたいのがこちら「福ボトル」。ラベルにはいくつもの「福」の字があしらわれています。ボトルには山田錦を使った大吟醸が詰められ、飲み手に口福(こうふく)を運ぶ1本です。
(出典元:黒龍酒造)
6-3.黒龍 干支ボトル
例年12月に販売され、新年を祝う酒として人気の商品です。原料には小さく磨いた山田錦を使用。加水や加熱処理をしていない、しぼりたての生のお酒が詰められています。
(出典元:黒龍酒造)
6-4.黒龍 感謝ボトル
「感謝ボトル」は、「ありがとう」の気持ちを伝えたいときにぴったりの日本酒です。甘さとキレのバランスに優れ、好みを選ばないこともうれしいポイント。黒龍らしい上品な香りを軽やかな旨味を楽しめます。
(出典元:黒龍酒造)
7.出会いの酒のラインナップ
7-1.黒龍 貴醸酒
日本酒は、米と米麹、水を原料に造られます。「貴醸酒(きじょうしゅ)」は、水の一部に日本酒を使ったぜいたくなお酒です。仕込みに日本酒を使うことで濃密な甘みと酸味を生み出しています。
(出典元:黒龍酒造)
7-2.黒龍 吟のとびら
150mlサイズのみで展開する「吟のとびら」は、「吟醸酒の美味しさを多くの人に知ってほしい」という想いから誕生しました。お試しにぴったりなサイズ感はもちろん、フルーティーでライトな味わいは日本酒ビギナーにもおすすめです。
(出典元:黒龍酒造)