日本酒「貴(たか)」は、山口県から全国へとその名が知られるお酒です。自社田で育つ山田錦を中心に、こだわりの酒米で個性豊かな味わいを生み出しています。
今回は、特別純米酒から季節のお酒まで、貴のラインナップの数々をご紹介!ぜひ、貴を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
目次
1.「貴」とは
「貴(たか)」は、山口県の永山本家酒造場が造る日本酒です。原料となるのは、岡山県赤磐市産“雄町”や兵庫県多可町産“山田穂”など、産地にこだわった酒米たち。代表銘柄「ドメーヌ貴」には、自社田で育った“山田錦”を使用しています。
風土を意味するフランス語「テロワール」を基調とし、米の旨味をぞんぶんに引き出した貴は料理との相性が良いお酒。ラインナップに並ぶのは、刺身や煮魚といった和食はもちろん、イタリアンやフレンチにも合う銘柄です。
2.貴を造る永山本家酒造場
貴を造る永山本家酒造場は、山口県宇部市に位置する酒蔵です。創業は1888年(明治21年)。テロワールを重視した貴のブランドは、5代目永山貴博氏によって誕生しました。
度々ヨーロッパのワイナリーを訪れた永山氏は、ワイン造りでは醸造技術より、ブドウやブドウが育つ土地が重視されていることに感銘を受けます。未来の環境造りにまで思いをはせるワイン醸造は、永山氏にとって田んぼへの新たな思いを抱かせるものでした。
2019年(令和元年)、永山本家酒造場は農業法人を設立。地域の人々とともに自ら酒米を育てる決意を固めます。米作り、酒造りに携わるのは、乳業メーカーやレストランなど、他業種から参入した若きスタッフたち。YouTubeでは永山氏自らが貴の魅力を発信するなど、日本酒の未来を次へとつなげるさまざまな取り組みも進められています。
3.貴の特別純米酒の商品ラインナップ
特別純米酒は、醸造アルコールを添加せず、米と米麹を原料に造られる日本酒のことです。さらに、精米歩合(せいまいぶあい)と呼ばれる、米を精白する程度が60%以下、または蔵それぞれの「特別な醸造方法」で造られています。貴の特別純米酒のラインナップには、家飲みにもおすすめの定番酒が並びます。
3-1.貴 特別純米60
口当たりなめらかで、しっかりと芯がある。米の旨味と後味のキレが両立した特別純米酒です。冷酒から常温、燗酒と好みのスタイルで楽しめます。料理とあわせて美味しい貴の定番商品です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
3-2.貴 濃醇辛口純米80
高級酒米“山田錦”の味わいを、ぞんぶんに引き出したお酒です。精米歩合は80%と、外側を20%だけ削った米を使用しています。濃醇かつスパッとしたキレ味をもつ辛口酒は、燗酒で味わうのもおすすめ。塩味のきいたおつまみとも相性の良い日本酒です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
4.貴の純米吟醸の商品ラインナップ
純米吟醸は、米のコクと華やかな香りを楽しめる日本酒です。貴では、酒米や製造方法の違いでさまざまな表情の純米吟醸を生み出しています。
4-1.貴 純米吟醸 山田錦50
精米歩合は50%と、半分まで磨いた“山田錦”を使用した純米吟醸です。フルーティーな香りとスッと消え行く心地よい余韻を楽しめます。和食はもちろん、フレッシュなサラダやオイル系のパスタにもおすすめの銘柄です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
4-2.貴 純米吟醸 山田錦55
原料米は、「八南の里」や「ふるさと吉見」、「あいのう木田」など契約農家で育った“山田錦”。穏やかな香りとスムースな飲み口は、あわせる料理を選びません。冷酒から燗酒まで、幅広いスタイルで楽しめる銘柄です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
4-3.貴 純米吟醸 山廃雄町
山廃(やまはい)とは、日本酒の伝統的な製造方法のことです。奥行きのある味わいと複雑な香りを楽しめます。酒米“雄町”のふくよかな旨味が広がる山廃は、チーズや肉料理と好相性。チーズのクセのある風味もしっかりと受け止めてくれる美味しさです。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
4-4.貴 純米吟醸 雄町50
岡山県産“雄町”を100%使用した純米吟醸です。豊かに広がる雄町の旨味をぞんぶんに堪能できます。「山田錦50」と並べ、酒米ごとの味の違いを楽しむのもおすすめです。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5.貴の純米大吟醸の商品ラインナップ
純米大吟醸は、純米吟醸よりさらに小さく磨いた米を使用したお酒です。ラインナップには、代表銘柄「ドメーヌ貴」をはじめ「プラチナ」、「ブラック」など、特別な日の乾杯にふさわしい銘柄が並びます。
5-1.貴 純米大吟醸 ドメーヌ貴
永山本家酒造場のこだわりが詰まった純米大吟醸です。原料には、自社田で育った“山田錦”を使用しています。透明感ある味わいは、ワイングラスに注いで楽しむのもおすすめ。山口県宇部市の豊かな自然を思いながら、料理とあわせて楽しみたい美味しさです。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-2.貴 純米大吟醸 赤磐雄町
“雄町”は、栽培の難しさから「幻の米」と呼ばれていた酒米です。貴の純米大吟醸には、特に質が良いといわれる岡山県赤磐市産の雄町が使用されています。雄町ならではのふくよかな旨味は、肉料理にあわせて楽しむのがおすすめ。ステーキはもちろん、すき焼きのようなコクのある料理にも良くあいます。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-3.貴 純米大吟醸 多可山田穂
“山田穂”(やまだほ・やまだぼ)は、山田錦の親にあたる酒米です。貴では兵庫県多可町で育った“山田穂”を使用し、雑味のない端麗な味わいに仕上げています。フランスの星付きレストランにも採用されている純米大吟醸は、ぜひキリッと冷やしてワイングラスで。上質な酸味が料理の味わいをより一層引き立てます。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-4.貴 純米大吟醸 吉川山田錦
「吉川」とは、山田錦が育った兵庫県三木市(旧吉川町)のこと。貴の純米大吟醸には、「特A地区」と呼ばれる地域で育った特に質の良い酒米が使用されています。例年秋に登場するこちらのボトルは、しっかりとした味わいが特徴。旨味たっぷりの秋の食材と相性の良いお酒です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-5.貴 純米大吟醸 東条山田錦
「東条」は、吉川と同じく山田錦の特A地区と呼ばれる地域です。東条特A地区の“山田錦”で造られた純米大吟醸は、「吉川山田錦」とはまた違った表情を見せています。品の良い香りとエレガントな味わいは、ワイングラスに注いで楽しむのもおすすめです。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-6.貴 純米大吟醸 プラチナ
東条特A地区の“山田錦”を小さく精米し、贅沢に使用した純米大吟醸です。「プラチナ」の名のとおり、素材の良さと蔵のこだわり、酒造りの技がキラリと光ります。香りと旨味、後口のキレが見事に調和した食中酒におすすめの1本です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
5-7.貴 純米大吟醸 ブラック
「ブラック」は、冬の時期に登場する純米大吟醸です。「プラチナ」と同じく東条特A地区産の“山田錦”を使用し、山廃仕込みで仕上げています。複雑で奥深い味わい、個性的な酸味はナッツやドライフルーツと好相性。寒い冬、じっくりと楽しみたくなる美味しさです。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
6.貴の季節のお酒の商品ラインナップ
四季折々の表情を見せる貴の季節のお酒。発売時期が限られたラインナップには、旬の料理と楽しみたくなる銘柄が並びます。
6-1.貴 ハーモニー 秋
「ハーモニー 秋」のコンセプトは、秋に楽しむお酒です。3種の貴をブレンドし、甘味と香ばしさの絶妙なハーモニーを生み出しています。アルコール度数は14%と若干低く、秋の夜長にスイスイと楽しめる銘柄です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
6-2.貴 ハーモニー 冬
「ハーモニー 冬」は、山廃純米大吟醸をはじめとする3種の貴がブレンドされています。冷酒はもちろん、燗酒にすると味の奥行きがより広がる銘柄です。年末年始の食卓に華を添える、上質な味わいを楽しめます。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
6-3.貴 ふかまり
10月に入り、秋の深まりとともに姿をあらわす「ふかまり」。こっくりとした美味しさは、秋刀魚やキノコといった秋の食材と相性ばつぐんです。常温で、ぬる燗でと温度による味の違いも楽しめます。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
6-4.貴 純米本生 スパークリング
シュワッとした微発泡感が心地よい「スパークリング」は、夏に登場するお酒です。控えめな甘さとキリリとした酸味が爽快感をもたらします。枝豆や冷奴といった夏のスタンダードなおつまみはもちろん、揚げたてのフライとのペアリングもおすすめしたい1本です。
(出典元:株式会社 永山本家酒造場)
まとめ
米が生まれる土地の風土、テロワールを大切に造られる日本酒「貴」。そのラインナップには、米の個性が光るお酒たちが並びます。吉川産や東条産など、米の産地で異なる味わいも魅力のひとつ。ぜひ、自分だけのお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。