日本酒と水の歴史が薫るまち「京都伏見」は、全国から多くの人が訪れる観光スポットです。
豊富なお土産を取り揃える「伏見夢百衆」では、カフェメニューや利き酒セットを楽しめます。大正時代に建設されたという店内は、歴史情緒あふれる空間です。
伏見のまち歩きでほっとひと息付きたいとき、お酒を楽しみたいときにぴったりの「伏見夢百衆」。今回は、人気メニューの内容や、お土産情報などをたっぷりとお伝えします♪
目次
1.大正時代にタイムスリップ「伏見夢百衆」
「伏見夢百衆(ふしみゆめひゃくしゅう)」は、伏見の日本酒や銘菓、特産品などを取り揃えたお店です。店内には喫茶が併設され、伏見の水を使った水出しコーヒーやスイーツ、利き酒メニューを楽しめます。
一歩足を踏み入れると、そこは大正ロマンあふれる空間。建物は、大正時代に月桂冠株式会社の本店として活用されていたものです。
高い天井をランプシェードの暖かな灯りが照らし、すりガラスから明るい日差しが降り注ぎます。
また、店内では観光マップや観光情報なども確認できます。まち歩きの合間に利用するのはもちろん、伏見に着いて「さぁ、どこへ行こう」と計画を立てたいときにもおすすめです。
2.酒粕あんトーストとコーヒーでほっと一息
数ある喫茶メニューのなかから、この日は『酒粕あんトースト』をオーダー。セットのコーヒーは、伏見の名水を使った水出しコーヒーです。
こんがりキツネ色に焼かれたトーストから立ち上るバターの香り。上にはあんこと焼いた酒粕が乗せられています。
あんこ×酒粕は、初めての体験。焼いた酒粕は固いのかと思いきや、ナイフを入れるとクリームのようにやわらかな状態です。
酒粕とあんこを合わせて、バターの染みたトーストに塗って頬張ると…お、おいしい!
あんこの甘さと酒粕、バターの風味がベストマッチ。“あんバター”はなじみがあるのに、どうして今まで思いつかなかったんだろう。“酒粕あんバター”の組み合わせ…。
スタッフの方も、自宅であんこ×酒粕の組み合わせを楽しんでらっしゃるのだとか。わかる。わかるわこれは、クセになる。ちなみに、こちらのトーストには、伏見に蔵を持つ“黄桜”の酒粕が使用されています。
合間にいただくコーヒーも、まろやかでやさしい味わいです。伏見はかつて“伏水(ふしみ)”と呼ばれていたほど、豊富な地下水に恵まれた地域。伏見の日本酒にもこちらのコーヒーにも、伏見の名水が使われています。
この日お話を伺った中川さんによると、コーヒーだけを目当てに来店する方も多いのだとか。
日本酒はそれほど飲まないという方も、このコーヒーなら伏見の水のおいしさを体感できそうですね。
日本酒豆知識「酒粕って?」
日本酒は、米と米麹、酒母(しゅぼ)などを発酵させた醪(もろみ)を搾って造られます。搾った液体が日本酒、搾ったあとに残る固形物が「酒粕」です。
搾る方法によって、板状だったりペースト状だったりと形状はさまざま。また、日本酒の種類や蔵によって味わいが異なります。
3.おつまみ付きの利き酒セットも♪
甘いものと一緒に、おいしい日本酒を楽しめるのが伏見の喫茶「伏見夢百衆」の魅力。春の酒5種セットには、お酒に合うおつまみが付いています。
「伏見の日本酒は、ゆっくりと時間をかけて醸造しているお酒なので、辛口でも口当たりまろやかなものが多いんですよ」と、中川さん。日本酒ビギナーでも、飲みやすい銘柄が揃うのがうれしいですね。
近年は伏見を訪れる若い方も多く、低アルコール酒やスパークリング日本酒なども注目を集めているのだとか。
中川さんいわく「お酒は左から順に楽しんでください」とのこと。はい!では早速いただきます。
いちばん左の『神聖(しんせい)』は、夢百衆とのコラボ商品。『百 -MOMO-』という名は、夢百衆の“百”と、伏見桃山の“桃”を表しているそうです。スッキリとした味わいが、お猪口を持つ手を次へと進ませます。
2杯目の『黄桜(きざくら)花きざくら』は、低アルコールの日本酒です。ほんのり甘くて飲みやすく、日本酒ビギナーでもスイスイといけてしまいそう!穏やかな春の昼下がりに味わいたい、軽やかなおいしさです。
中盤に位置する『玉乃光(たまのひかり)』は、ガラッと表情が変わる生原酒。火入れと呼ばれる加熱処理と、加水調整をしていないお酒です。しっかりとした旨味ときれいな余韻が、おつまみの味わいを引き立てます。
右に続く2つのお酒は、うっすら白いにごり酒です。あえて醪の固形物を残して仕上げているため、米の甘味や旨味がよりしっかりと感じられます。それでいて、まろやかでスッキリとした飲み口は、さすが伏見のお酒という印象。
利き酒セットの内容は、季節によって衣替えするそうです。趣ある喫茶店で、昼間からいただくおいしい日本酒。お酒好きの方に、ぜひおすすめしたい体験でした♪
4.酒どころ伏見のお土産も充実
ズラリと並ぶお土産の数々も「伏見夢百衆」のおすすめポイント。壁一面に並ぶ日本酒は、地方発送も依頼できます。
贈答にも喜ばれそうな銘柄や、近年注目を集める熟成古酒も発見。あれこれ買って、まとめて自宅に送りたいというときにも頼れるお店ですね。
おいしいもの好きな方へのお土産には、伏見のお醤油はいかが?プラスチック容器で軽く、持ち運びもラクチンです。
自分用や個別で配りたいお土産には『玉乃光』のフェイスパックも!実際に試してみましたが、もっちもちに肌が潤う、お値段以上の満足感でした(笑)そのほか、地元銘菓やお漬物なども購入できますよ。
「伏見夢百衆」周辺にはあちこちに酒蔵が立ち並び、おいしい料理と一緒に日本酒を楽しむ店舗が充実しています。
「いろいろな日本酒を知りたい、味わいたい」という、日本酒ビギナーにおすすめのエリアです。
また、伏見のまちは2021年、全国唯一の「川の港」として国道交通省の“みなとオアシス”に登録されています。かつて、京の都と日本各地を結んだ伏見の川は、現在も多くの人が訪れる観光スポットです。
春には桜が咲き誇る川沿いは、季節の移り変わりとともに紫陽花が見ごろを迎えるのだとか。舟のりばは、伏見夢百衆から徒歩数分の場所に位置します。
日本酒好きも甘党さんも、そして旅先でのまち歩きが好きな方も…。歴史情緒漂う伏見のまちを満喫してみてはいかがでしょうか。
伏見夢百衆
[所在地]京都市伏見区南浜町247
[電話番号]075-623-1360
[定休日]月曜定休(祝日除)
[営業時間]10:30~17:00(L.O.16:30)
[オフィシャルブログ]https://ameblo.jp/fushimi-yume100shu/
※2022年4月22日時点の情報です。休業日や営業時間など変更の可能性があるため、最新情報は事前に店舗にお問い合わせください。