日本酒初心者の方のなかには「お家でいろいろな銘柄を飲むようになったけど、飲食店での注文はちょっと心配…」という方も多いのではないでしょうか。
「日本酒を注文してみたいけど、どれを選んだら良いかわからないし」と遠慮してしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、初心者も安心の日本酒選び、注文方法のポイントについて紹介します。飲食店の美味しい料理と一緒に、美味しい日本酒を楽しみましょう!
目次
1.まずは日本酒選びから。知って役立つ4つのポイント
メニューにズラッと並ぶ日本酒の数々。「漢字ばかりで何がなんだか…選ぶ決め手がわからない!」と困ったことはありませんか?そんなきは、次の4つのポイントをチェックするのがおすすめです。
- 日本酒の名前を参考にする
- 飲む温度帯を考える
- 料理との相性を考える
- 容量をチェックする
日本酒を提供する飲食店はもちろん、酒販店で日本酒を選ぶときにも役立ちますよ。
1-1.味のヒントがいっぱい!日本酒の名前を参考にする
メニューに書かれた日本酒の名前には、味わいのヒントがたくさん隠れています。
1つめのヒントとなるのが、日本酒の種類を意味する「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)」。「純米酒」や「吟醸酒」などがそのひとつです。
特定名称酒だけでは味は固定化できないものの、次のようなおおまかな味わいがイメージできます。
吟醸酒 | フルーティーで華やかな香り |
大吟醸酒 | |
純米吟醸酒 | |
純米大吟醸酒 | |
純米酒 | 香りふくよかリッチな味わい |
特別純米酒 | |
本醸造酒 | キレがある辛口タイプ |
特別本醸造酒 |
日本酒の名前には、「造り方」を表す言葉が含まれている場合があります。余裕があるときは、それらもあわせてチェックしてみましょう。
山廃(やまはい) | 日本酒の伝統製法。繊細かつ奥深い味わい。 |
生酛 (きもと、なまもと) | |
生酒(なまざけ) | 加熱処理をしていない日本酒。フレッシュな味わい。 |
原酒(げんしゅ) | 加水をしていない日本酒。しっかりとした飲みごたえ。 |
無濾過生原酒 (むろかなまげんしゅ) | ろ過をしていない無濾過×生酒×原酒、3つのスペックを持つお酒。 甘さと酸味がはっきりとしたジューシーな味わい。 |
ひやおろし | 秋ごろに販売するお酒。まろやかでコクのあるタイプが多い。 |
古酒(こしゅ) | 熟成させたお酒。濃縮された味と香り。 |
1-2.冷酒?燗酒?飲む温度帯を考える
日本酒は、冷酒や燗酒で楽しめるのが魅力のひとつ。日本酒を選ぶときは、飲む温度帯も考えてみましょう。
冷やして楽しみたいときは、フルーティーな香りの「吟醸酒」や、フレッシュ感が持ち味の「生酒」がおすすめです。
温かい日本酒を飲みたいときは、燗酒で魅力がパワーアップする「純米酒」や「本醸造酒」、「山廃」「生酛」なども美味しいですよ。
1-3.料理との相性を考える
こってりした肉料理や塩辛いおつまみには、「純米酒」のようなコクのあるタイプの日本酒が良く合います。「山廃」「生酛」などは、意外にもチーズを使った洋食と好相性です。
すっきりキレのある日本酒は、新鮮な魚介類と相性ばつぐん。素材の味を活かしたイタリアン、フレンチのようなメニューがあるときは、フルーティーな香りの「純米大吟醸」もおすすめです。
1-4.容量、提供スタイルを選ぶ
飲食店では、日本酒を1合(180nl)で提供するのが一般的です。日本酒はアルコール度数15~16%と、ビールなどと比較すると度数が高いお酒。「1人で飲み切れるか不安」というときは、あらかじめ容量を確認しておきましょう。
また、日本酒はグラスまたは徳利(とっくり)で提供されます。何人かで少しずつシェアしたいときは、徳利でお願いするのがおすすめです。
2.初心者もこれで安心!注文時の5つのコツ
メニューから日本酒を選んで、いざ注文!「やっぱり選びきれない」「ちょっと不安」というときも、次の5つのコツをおさせておけば安心です。
- お店のおすすめを聞いてみる
- あわせたい料理を伝える
- 香りや味の好みを伝える
- 普段飲んでいるお酒を伝える
- 和らぎ水(やわらぎみず)を一緒に頼む
日本酒を提供する飲食店は、お酒のプロフェッショナル。遠慮せず、気軽に日本酒について相談してみてくださいね。
2-1.お店のおすすめを聞いてみる
美味しい日本酒を楽しみたいときは、お店のおすすめを聞いてみるのがいちばん。オールシーズン入荷しているお酒のほか、その時期だけの旬の味わいに出会えるからです。
おすすめ銘柄の味わいや特徴など、新たな知識が得られるのもうれしいですね。
2-2.あわせたい料理を伝える
多くの飲食店は、料理とお酒のペアリングを大切にしているもの。食べたい料理が決まっているときは「この料理にあう日本酒はどれですか?」と相談してみましょう。
「この日本酒を飲みたいのですが、あわせるならどのお料理が良いですか?」と聞いてみるのもおすすめ。日本酒にあわせたとっておきのペアリングを提案してもらえます。
2-3.香りや味の好みを伝える
自分好みの日本酒を注文するには、香りや味の好みを伝えるのがいちばんの近道です。特定名称酒や銘柄がわからなくても大丈夫。
「甘い香りの日本酒がすき」「スッキリした感じが好み」といったおおまかなイメージも、お店にとっては大きな参考要素になります。お酒にさほど強くない場合も、飲みやすい銘柄を紹介してもらえますよ。
2-4.普段飲んでいるお酒を伝える
ビールやワインなど、日本酒以外に普段飲んでいるお酒を伝えるのもおすすめです。おうちで日本酒を飲んでいる場合、普段飲んでいる銘柄を伝えると、お酒の好みが日本酒選びの参考になります。
「初心者だし、注文に迷うなぁ」というときは、素直にお店側に伝えてみましょう。飲食店は、お店にやって来る方に美味しい日本酒を楽しんでほしいと思っているもの。初心者だからこそ美味しく楽しめる、おすすめ銘柄を提案してくれるはずです。
2-5.和らぎ水(やわらぎみず)も一緒に頼む
日本酒を注文するときは、和らぎ水も一緒にお願いしましょう。和らぎ水とは、日本酒の合間に飲む水のこと。日本酒と同量、またはそれ以上の水を飲むことで悪酔いを防げます。
口の中がすっきりとリセットされ、料理やお酒の味わいがより美味しく感じられるのもメリットのひとつです。
3.日本酒オーダーをシミュレーション
以上のポイントをふまえつつ、ここからは日本酒オーダーをシミュレーションしてみましょう。難しく考えず、ぜひ気軽に店員さんに相談してみてくださいね。
お家時間が増え、自宅で日本酒を楽しむ機会が増えた。お酒の購入はネットショップの利用が多い。ビールやワインも好き。今日は楽しみにしていた日本酒が豊富なお店に来店!うまく注文できるかちょっと心配…。
ラボオ
すみません。日本酒をお願いしたいのですが、今日のおすすめはどれですか?
店員
今日はAとBがおすすめです。先日入荷したCも燗酒にすると美味しいですよ。
ラボオ
うーん…実は日本酒を飲み始めたのは最近で。普段はワインもよく飲むのですが。料理は刺身盛りと生ハムサラダをお願いしようと思っていて…あわせるならどれがいいですか?どちらかといえばスッキリした味の日本酒が好みなんです。
店員
でしたら、Aがおすすめです。お刺身にあいますし、後口の酸味がきいているので、白ワインに近い感覚で楽しめますよ。冷やしていただくのがおすすめなのですが、いかがですか?
ラボオ
はい!ありがとうございます。あ、お水も少し多めに一緒にいただいていいですか?
店員
承知いたしました。少々おまちくださいませ。
いかがでしたか?ポイントは、食べたい料理や好みの味を伝えること。お目当ての料理とお酒がきたら、ぞんぶんに美味しい時間を楽しみましょう!
4.お気に入りの日本酒は記録しておこう!
お気に入りの日本酒が見つかったら、なるべく記録しておきましょう。飲食店でお酒を注文したり、酒販店で購入したりするときの参考になります。
その場で手軽に入力するなら、日本酒アプリがおすすめ。写真や感想を記録するだけでなく、SNSなどで日本酒好きと情報共有できるのもうれしいですね。
日本酒を記録・検索できるアプリ「さけのわ」
まとめ
「名前が複雑」「わかりづらい」など、初心者にはちょっと敷居が高く感じられることもある日本酒。注文が不安なときは、お店のおすすめを聞きつつ、自分の好みを伝えてみるのがいちばんです。
料理とお酒でしあわせな時間を演出してくれる飲食店は「美味しい日本酒が飲みたい」という気持ちにきっと応えてくれるはず。難しく考えず、ぜひ気軽に日本酒の世界を楽しんでみてくださいね。