出羽桜は山形を代表する日本酒です。出羽桜を飲まずに吟醸酒は語れないというほど、有名な銘柄でもあります。
今回は、出羽桜はどのような日本酒なのか、定番の吟醸酒はもちろんのこと、他にはどんな種類があるかチェックしていきましょう。
目次
1.日本酒の出羽桜とは
出羽桜(でわざくら)は海外にも輸出している日本酒で、現在30カ国に広がっています。日本のみならず世界から高い評価を受けている出羽桜はどこで造られているのでしょうか。
1-1.酒造元について
出羽桜は山形県天童市の出羽桜酒造で造られています。1892年に分家してできた出羽桜。熊正宗がルーツといわれています。
鑑評会用にのみ醸造されていた吟醸酒を一般の人にも親しんでもらいたいと販売された出羽桜は、まさに吟醸酒の火付け役。
出羽桜は消費者に寄り添う日本酒で、プロの評価よりも一般的なお客さんが違いを感じることができる日本酒でありたいとわかりやすい品質を心がけています。またパッケージなどはシンプルにし、その分酒質の向上に努めています。
1-2.出羽桜という名の由来
出羽桜の出羽は、712年から江戸時代まで山形県と秋田県をあわせた領土のことを出羽国(でわのくに)と呼んでいたため、地名から取ったといわれています。桜は出羽桜酒造がある山形県の舞鶴山に咲く美しい桜から。つまり、出羽に咲く美しい桜という意味があるのです。
2.出羽桜の種類と値段について
出羽桜は吟醸酒が有名ですが、他にも魅力的な日本酒がたくさんあります。出羽桜の種類と値段をチェックしていきましょう。
2-1.大吟醸
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
40% | 山田錦 | 720ml 3500円(税抜) |
評判
辛口でキレがいい大吟醸。2016年に全米日本酒歓評会でグランプリを受賞しました。720mlで火入は3,500円、本生は3,700円(税抜)。
手軽に楽しめるように小さいボトルもあります。300ml(精米歩合48%)で火入は780円、本生は880円(税抜)と良心的な価格です。
(出典元:公式サイト)
2-2.春雷(大吟醸)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
48% | 山田錦 | 720ml 3200円(税抜) |
評判
さわやかなキレとのどごしで、出羽桜の辛口を代表するといってもいい春雷。口の中にドドーンと広がり、喉の奥にすっと消えていくことから春雷と名づけられました。
食事中に飲んでも邪魔をしない味わい。価格は720mlで3,200円(税抜)です。
(出典元:公式サイト)
2-3.雪漫々(大吟醸)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
45% | 山田錦 | 1800ml 6200円(税抜) |
評判
出羽桜の大吟醸の中でも、高い基準を満たしたものだけに名乗ることが許される「雪漫々」。低温でじっくりと熟成させた一品は、大吟醸の醍醐味であるフルーティーな香りが残りつつも、丸みがあるまろやかな口当たりに。価格は一升瓶で6,200円(税抜)です。
(出典元:公式サイト)
2-4.一路(純米大吟醸)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
45% | 山田錦 | 720ml 3000円(税抜) |
評判
「一路」は、フルーティーな香りと、米の旨味と甘味がしっかりと感じられる、やわらかく濃厚な日本酒。香りは残るものの、クセがなく初心者にもおすすめです。
2014年と2017年には純米酒大賞金賞を受賞。ロンドンで毎年行われている、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で、最高賞であるチャンピオン・サケを受賞したこともあります。価格は720mlで3,000円(税抜)。
(出典元:公式サイト)
2-5.愛山(純米大吟醸)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
45% | 愛山 | 720ml 2800円(税抜) 1800ml 5500円(税抜) |
評判
山田錦と雄町から生まれた、デンプン質の多い愛山を使用しているので、米の旨味が濃厚で余韻が長い日本酒です。冷やしても美味しいですが、常温や温めても楽しめる1本。
愛山は米の栽培が難しいため、年にタンク1本しか作ることができない貴重な日本酒です。価格は720mlで2,800円、一升瓶は5,500円(税抜)です。
(出典元:公式サイト)
2-6.桜花吟醸酒(吟醸酒)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
50% | 国産米 | 300ml 520円(税抜) 720ml 1300円(税抜) 1800ml 2600円(税抜) |
評判
出羽桜の定番酒。フルーティーな吟醸香で、やや淡麗、口当たりもよく、「この酒で日本酒に目覚めた」という人も多いのだとか。今も進化を続けている目が離せない日本酒です。
人気のシリーズのためサイズも豊富。300mlで520円、720mlで1,300円、一升瓶は2,600円(税抜)です。
(出典元:公式サイト)
2-7.しぼりたて 春の淡雪(本醸造酒)
精米歩合 酒米(麹米/掛米) 製造法 | 酒米(麹米/掛米) | 価格 |
55% | 国産米 | 300ml 480円(税抜) 720ml 1200円(税抜) 1800ml 2400円(税抜) |
評判
「しぼりたて 春の淡雪」は辛口の生酒で、料理にもぴったり。薄にごりのおり酒をヒントに造られたキレのいい日本酒です。
300mlで480円、720mlで1,200円、一升瓶は2,400円(税抜)です。
(出典元:公式サイト)
3.出羽桜の購入方法
3-1.出羽桜が購入できる実店舗
出羽桜は全国で買うことができます。百貨店はもちろんのこと、成城石井などでも取り扱いがあります。お近くの取り扱い店舗は下記から検索してみてください。
3-2.出羽桜が購入できる通販サイト
出羽桜はAmazon、楽天といった大手通販サイトでも購入できますが、正規価格ではないことがあるので注意が必要です。とはいえ、ポイントがたまる等いろいろとあるので、自分にとってメリットの大きいサイトで購入してみてください。
4.出羽桜の美味しい飲み方・楽しみ方
出羽桜は、どんな飲み方をしても美味しく楽しめますが、冷やして辛口の良さを引き立てるのがおすすめです。熱燗にして香りを楽しむのももちろんありですが、温めすぎないようにするのがポイント。
料理とも相性がよく、肉や魚というよりは、野菜や山菜などと相性がいい日本酒です。日本酒をメインに少しだけつまみが食べたいというときにもおすすめです。
4-1.-5度で保管?
購入した出羽桜を保管するときは-5度の環境にするのが理想です。醸し人九平次をはじめ、多くの日本酒は熱によって劣化する特性があります。-5度は日本酒が凍らないギリギリの温度。劣化を最小限に抑え、長く品質を維持できます。
ただし、一般の家庭で−5度の環境を用意するのは難しいです。予算がある人は専用の日本酒セラーを購入するといいでしょう。難しいときは棚の奥など、常に温度が一定になっている日陰に保管してください。
5.出羽桜の期間限定品
出羽桜には限定品があります。「亀の尾」は、通年販売していますが、山形県内の10店舗でしか販売されていない限定品。濃厚で甘口の純米大吟醸酒です。
「三年熟成大古酒 枯山水」は10~3月の限定品。最近は、疫病退散にご利益があるといわれている妖怪「アマビエ」をラベルにあしらった限定品もあります。特別純米は完売したため、現在は大吟醸で販売しています。
6.まとめ
出羽桜は吟醸酒好きには外せない日本酒です。価格も良心的なのがありがたいですね。出羽桜を飲んでみたいという人は、まずは桜花吟醸酒から始めてみてはいかがでしょうか。