大人になると、宴会の席で目上の人にお酌をする機会が増えますよね。そこで気になるのがお酒を注ぐときのマナーです。
とくに日本酒で使われる「とっくり」のマナーは身近な人に聞いてもわからないことが多いでしょう。
そこで今回はとっくりの基本的なマナーについて解説していきます。
目次
1.とっくりでお酒を注ぐ時のマナー
お酒を飲む席でぜひ知っておきたいマナー。知らなくても日本酒を楽しむことはできますが、知っているだけで先輩や上司から一目置かれるかもしれませんね。
複雑なマナーではありませんので、簡単に覚えることができます。
1-1.とっくりの持ち方
とっくりは右手の指で中腹をつかむように持ちましょう。左手は右手とは反対側に軽く添えます。これがとっくりの基本的な持ち方です。
お酒を注ぐときは必ず右手の甲が上になるようにとっくりをかたむけます。手の甲が下になるのは「逆手注ぎ」という無礼な注ぎ方です。とっくりが不安定になり、注ぎ過ぎにつながります。
相手が自分の右側に座っている場合は、うっかり逆手注ぎになりやすいので気をつけてください。
1-2.注ぎ口以外から注ぐ?
一時期、インターネット上ではとっくりの注ぎ口から注ぐのはマナー違反とする説が流れました。その根拠は注ぎ口が円の切れ目である、つまり縁が切れるを連想させるというもの。しかし、これは間違いです。
当たり前ですが、注ぎ口はお酒を注ぐために作られています。注ぎ口から注ぐことがマナー違反であれば、そもそも注ぎ口のないとっくりが主流になっているでしょう。実際に多くの酒造会社やとっくりの製造元は注ぎ口以外から注ぐことを周知していません。
あくまでも、お酌をするときはとっくりの”注ぎ口から注ぐ”のが正しいマナーです。
2.とっくりに関するその他のマナー
とっくりの扱いには注ぎ方以外にも細かなマナーがいくつもあります。知っておかないと、相手に不快な思いをさせることにつながるでしょう。以下にマナー違反になるとっくりの扱い方をまとめましたので、覚えておいてください。
2-1.のぞきとっくり
のぞきとっくりは、とっくりの中をのぞいて残りのお酒の量を確認することです。これはお酒の席では下品な行為とされており、マナーとしてはよくありません。とっくりは中身が見えない陶器製がほとんどなので、うっかりのぞかないように意識してください。
もし、残りのお酒の量を知りたいのであれば、とっくりを持ったときの重さの感覚で判断しましょう。残りの量が少ないと感じたら、新しく注文するなどしてください。
2-2.振りとっくり
振りとっくりは読んで字のごとく、とっくりを振ることです。これも行儀が悪いので、マナー違反になります。よくあるのは、のぞきとっくりがダメだからと、とっくりを振って残りの量を確認するケース。とっくりは中身が見えないことが多いので、つい振ったときの振動や音で残りの量を確認してしまいます。
しかし、とっくりを含めて食器を振るのは品が良いとはいえません。親しい間柄なら許されるかもしれませんが、目上の人にお酌をするときは注意しましょう。
2-3.倒しとっくり
倒しとっくりは空になったとっくりを倒して転がしておくことです。これはテーブルの上を汚すことにつながり、非常に無礼な行為。床に転がってしまえば、誰かが踏んでしまう危険もあるので、絶対にやってはいけません。
たとえば、飲み終わった空き缶をわざわざ倒して転がすようなことはしませんよね。とっくりも一緒です。常識的に考えればわかるマナーですが、念のために意識しておきましょう。
2-4.あわせとっくり
あわせとっくりは複数のとっくりに残っているお酒を1つに混ぜてしまうことです。これはお酒の味わいを台無しにする行為。同じ銘柄のお酒でも、温度の違うものが混ざることで本来の風味が失われます。
とくに何本ものとっくりに中途半端にお酒が残っている場合は注意が必要。少量では飲みごたえがないからと、1つにまとめる人がいます。しかし、見た目にも行儀が悪いので、マナーとして止めたほうがいいでしょう。
3.まとめ
とっくりでお酒を注ぐときのマナーについて解説しました。とっくりの扱い方は非常に簡単ですが、細かなマナーを知らないと相手に不快感を与えてしまいます。お酌をする機会があれば、ぜひ今回の記事で基本的なマナーを復習してください。
大人として自然なマナーが身についていれば、お酒の席もより楽しく過ごせるようになります。