iOS/Android対応の日本酒アプリ「さけのわ」。「飲んだ日本酒を記録して好みの日本酒を見つける」というキャッチコピーの通り、飲んだ日本酒を記録したり、好みの日本酒を検索して見つけることができるスマートフォン用アプリ。
日本酒を好きな方なら、「知ってる」「使ったことある」という方も多いのではないでしょうか?今回、そんな日本酒アプリ「さけのわ」の開発者である上田氏にインタビューをさせていただきました。
「さけのわ」アプリでできることや、これからについて詳しくインタビューしましたので、アプリを使っていて興味がある方はもちろん、「これから日本酒について知りたい!」という方にもオススメな内容となっていますので、ぜひご覧ください!
上田さんプロフィール
上田 明良 氏
日本酒SNSアプリ「さけのわ」開発者
SIerから外資のソフトウェアベンダー、BtoCの自社サービスの会社などで15年ほどプログラマーの地盤を確立し、フリーランスとして活動。その後、さけのわを開発してリリース。現在も運用、管理やマーケティングを行っている。
さけのわ
「さけのわ」は飲んだ日本酒を記録したり好みの日本酒を探したり、日本酒を楽しむアプリです。
Twitter または Facebook アカウントで簡単に始められます。
飲んだ銘柄の情報を写真やコメントとともに記録し、 Twitter や Facebook、Swarm で共有することができます。
自分の記録を後から見返して、お気に入りのお酒を見つけることができます。
みんなが飲んでいるお酒を見てコメントしたり、気に入ったらハートマークをつけることができます。
お酒のお供としてご活用ください。
( Web版はコチラ → さけのわ )
中村
本日はよろしくおねがいします。
「さけのわ」のアプリ、いつも日本酒を探すのに使っているので、お話を聞けて嬉しいです!
上田さん
そうなんですね。ありがとうございます!!
長く時間をかけて育ててきたサービスなので、そういってもらえると嬉しいです。
目次
1. 15年間の会社員からフリーランスへ転身、「さけのわ」を開発
中村
これまでの経歴、Sierなどのエンジニアがキャリアの中心なんですね。
上田さん
全てのキャリアに共通しているのは実はWebなんですよ。Web関係の仕事が好きで、最初からWebの仕事がしたいと思っていました。
SIer、外資のソフトウェアベンダー、BtoCの自社サービスの会社で働いて、今から7年ほど前にフリーランスになって「さけのわ」を開発しました。
それからは試行錯誤しながら、「さけのわ」のサービス拡大に力を入れています。
中村
そうなんですね。
自作アプリがここまで認知されて使われているのは、とてもスゴイと思っていまして、羨ましがられるキャリアですよね(笑
上田さん
でも、最初は全然ダメだったんですよ(笑
最初のリリースは2013年の10月頃で、Twitterでさけのわを公開したと発信したんですが、周りの知り合い数人が作ってくれる程度でした…。
2014年の前半から少しずつユーザーさんが増えてきて、公開当初から、iOS版は良い評価をいただいていたのですが、Android版で安定性に欠けていた部分があって、2017年頃に一度リニューアルして作り直したんですよ。それ以降で良い評価をいただくようになりましたね。
中村
日本酒のアプリの中でも「さけのわ」はかなり評価が高いのは、2017年のリニューアルが上手くいっていたんですね。
2014年頃からいきなりユーザーさんが伸びたのは、何か理由があったんですか?
上田さん
はい。最初はiPhoneアプリのメディアさんに紹介していただいたのがきっかけですね。
2014年前半のその頃から一気に1日のユーザーさんが増えて、日本酒のアプリとして認知されるようになってきました。
中村
「さけのわ」の公開から半年くらいから伸びてきたんですね。
今はどんな方がアプリを使われているんですか?
上田さん
「さけのわ」を使ってくれているユーザーさんには、大きく2種類のタイプがいますね。
1つがアプリのユーザーさんで、会員登録をしてSNSとして使ってくれている方。こちらは月に5,000人くらいで今も少しずつ増えてくれてます。
もう1つが、会員登録をされていない情報だけを求めているユーザーさんですね。こちらはユーザー数では会員登録している方よりも多いのですが、日本酒の検索だけをして帰っていくタイプです。
アプリ画面イメージ
2. きっかけは、日本酒の美味しいお店との出会い
中村
「さけのわ」を作った理由を教えてほしいです。
昔から日本酒が好きで、日本酒のアプリを作りたいって思ったんですか?
上田さん
いえ、実は当時は日本酒にあまり詳しくありませんでした。
きっかけは当時の家の近くに新しくできた居酒屋さんです。日本酒にこだわっているお店で、そこにふらっと入ったときに、「日本酒って美味しい!」と感じたのがはじまりです。
でも、日本酒っていっぱい銘柄とかがあって難しいじゃないですか。
まるで銘柄を覚えられないし、この間飲んだの何だっけ?となることが多くて、じゃあ記録するアプリを作ろう!ということで開発をスタートしました。
日本酒をもっと楽しみたい!詳しくなりたい!という自分自身がターゲットでしたね(笑)
中村
近所の居酒屋さんで飲んだ日本酒がきっかけの1つだったと。
「さけのわ」のアプリ、日本酒が好きな人だと知っている人も多そうなので、もしかしたらそのお店の方も知っているかもしれないですね!
上田さん
はい。そこのお店で宣伝用のビデオを撮らせていただいたこともあったので、知ってくれています。
すごいいいお店なので今もよく行くんですけど、開発した人間としては知ってくれているのは嬉しいですね。
3. 「さけのわを開発して良かった」心に残っているエピソード
中村
居酒屋さんのお話以外にも、アプリを公開して嬉しかったエピソードってありますか?
上田さん
「さけのわ」ってSNS的な面が大きいので、ユーザーさん同士で仲良くなったり、色々な使い方があるんですよ。記録としてだけ使っている方から、他のユーザーさんと積極的にコミュニケーションを取られている方もいます。
たくさんあるんですけど、少しずつユーザーさんが増えてきたときに、交流も増えてきて、ユーザーさん同士のオフ会に誘っていただいたのは嬉しかったですね。
あと、それと関係してですが、ずっと前から「さけのわ」を使ってくれていたユーザーさんが、日本酒のお店を始めるっていうこともありました。さけのわ上でも宣伝されて、そのお店でオフ会もしました。
中村
めちゃくちゃいい話ですね!
上田さん
「さけのわ」のユーザーさんのハンドルネームで「○○です」っていう感じでみんな初対面だったのですが、同じサービスを使っていて、日本酒という共通語があるので仲良くなりやすいですね。
自分が作った世界の中で、新しい繋がりが生まれるのを見れるのは本当に嬉しいです。
4. カンタンに好みの日本酒が探せるように作った「フレーバーサーチ」
中村
「さけのわ」には、レーダーチャートで日本酒を探せる「フレーバーサーチ」がありますが、この機能を開発しようと思った経緯についてお聞きしたいです。
上田さん
「フレーバーサーチ」は、さけのわを作り始めたころの自分のような、日本酒をもっと楽しみたい!詳しくなりたい!という人に向けて作った機能です。
「さけのわ」は、日本酒にあまり詳しくない人でも楽しめる。という点に力をいれているので、視覚でわかりやすく銘柄の特徴を表現したいと思って、「フレーバーチャート」を開発しました。
たとえば日本酒って、お店で注文するときに銘柄名で注文するときもあれば、「フレッシュなお酒が飲みたい」とか「さっぱりしたのがいい」という注文の仕方をすることも多いと思うんですよ。
それと同じようなことが、検索手段としてもできないか?と考えて作ったのが「フレーバーチャート」と「フレーバーサーチ」です。
もうちょっと真面目に自分の好きな形はこんな形なので、っていうふうにやると候補が出てくるので。根底にあるのは、日本酒の日本酒度とか酸度とか辛口、辛口は味の特徴ではありますけれども。そういう難しいことを知らなくても、華やかとかフレッシュとか、そういう気持ちで感覚で検索できるっていうのがフレーバーサーチですね。
中村
僕も「フレーバーチャート」は大変参考にさせていただいています。
タグの機能もかなり使い勝手が良いと思うのですが、この機能も一緒に開発されたんですか?
上田さん
タグ機能は「フレーバータグ」って呼んでいるんですけど、順番でいうと「フレーバーチャート」よりも先に開発していました。その後に「フレーバーサーチ」を追加したんです。
日本酒は味わいが複雑で、香りが高い中にもバナナやメロンの香りなど色んな特徴があって、それらを絞り込んで調べられるので、僕も気に入っています。
中村
「フレーバーサーチ」と「フレーバータグ」の機能、本当スゴイですよね。
重厚でハチミツのフレーバーがあって〜というような細かい検索ができるのは「さけのわ」だけなので、とても助かってます!
上田さん
ありがとうございます。
こういうデータを持っておきたいっていうのは前からあったのですが、酔ってるときに入力するのは、僕だったら面倒でやらないかなと思ったので、コメントを解析して作るっていう方式にしたんですよね。
中村
なるほど、技術的な面でもすごいですね…。
地域別で、日本酒の違いを表示する機能も公開されていましたが、
この開発には何かきっかけがあったんですか?
上田さん
地域の情報がすごいウケるというのをどこかで耳にしまして、「自分の地域はどうなんだ?」というのを刺激するみたいです(笑
「さけのわ」でやるとしたら?と考えたのがきっかけです。
アプリ画面イメージ
5. より多くの人が日本酒を好きになるサービスに!
中村
最後の質問ですが、「さけのわ」を通して、今後やっていきたいことについて教えてください。
上田さん
今後は、日本酒業界の色んな人が集まるサービスにしたいと思っています。
例えば、少しずつ進んでいるのですが、酒販店さんや蔵元さんに自分たちの商品を宣伝してもらえる仕組みを作っていっています。「さけのわ」のユーザーさんは日本酒に興味のある方ばかりなので、宣伝でも楽しめるポイントもあると思うんですよ。
あとは、メディアの方や日本酒関係のライターさんなど。そういった日本酒業界に関わる色んな人たちが、さけのわ上でも活動しやすいプラットフォームにしていきたいです。
中村
確かに、宣伝でもファンからすると嬉しい情報ですよね。
直接、日本酒を売っていない人でも日本酒に関わっている人はたくさんいますし!
上田さん
日本酒を販売する側じゃないけど、イベントの企画をやっていたり、Youtuberやインスタグラマーとかで、日本酒に関わってお仕事をされているインフルエンサーの方も多いと思うんですよ。
そのような人たちが中心になって、さけのわ上でイベントが開催されたりとか。酒販店さんや蔵元さんがコラボレーションされるようなことが、プラットフォームとして起こってくれたら楽しいな、っていう感じですね。
「さけのわ」を作っている側としては、自分の好きな日本酒とカンタンに出会えるようになって、より日本酒を好きになってくれたり、そこでコミュニケーションや共感も生まれる場所を作りたいと考えています!
中村
素晴らしい展望ですね。日本酒に関わるWebメディアとして、ぜひ今後もご協力させてください!
長時間のインタビューにお付き合いいただいてありがとうございました!
さけのわ
「さけのわ」は飲んだ日本酒を記録したり好みの日本酒を探したり、日本酒を楽しむアプリです。
Twitter または Facebook アカウントで簡単に始められます。
飲んだ銘柄の情報を写真やコメントとともに記録し、 Twitter や Facebook、Swarm で共有することができます。
自分の記録を後から見返して、お気に入りのお酒を見つけることができます。
みんなが飲んでいるお酒を見てコメントしたり、気に入ったらハートマークをつけることができます。
お酒のお供としてご活用ください。