8月3日は「八丁味噌の日」です。八丁味噌は、今年の大河ドラマの舞台としても注目を集める愛知県岡崎市で誕生した伝統調味料。愛知県のご当地グルメの味付けには欠かせない存在です。そんな八丁味噌についてや、八丁味噌を使ったグルメとそれに合うお酒をご紹介します。
八丁味噌とは?
名古屋のご当地グルメを食べていると、よく目にするのが八丁味噌。味噌カツや味噌煮込みうどんなど、名古屋めしには八丁味噌がなくてはならない存在です。
この八丁味噌、実は名古屋を中心とした東海地方のみで造られ食べられている、江戸時代からある伝統調味料です。一般的な味噌が米や麦を主な原料としているのに対し、八丁味噌は大豆と塩のみを原料とする豆味噌です。大きな杉桶で仕込んで、2年以上熟成させて完成します。見た目は濃い赤褐色で、濃厚なコクとうま味、適度な酸味、独特の渋みを感じさせる味わいが特徴です。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康も、豆味噌を好んで食べていたと言われています。
八丁味噌の名前は生産地からきています。江戸時代の頃から、愛知県岡崎市八丁町(旧・八丁村)で造られており、その地名をとって「八丁味噌」と名付けられました。現在でも、八丁町にある2社が伝統製法で造り続けています。
さらに、「八丁」から8、「味噌」から3の語呂合わせで、8月3日は「八丁味噌の日」に定められています。
夏バテ防止にも最適
八丁味噌は、実は夏バテ防止に一役買います。愛知県は高温多湿な気候のため汗をかきやすく、発汗によって不足した塩分やナトリウム、カリウムなどの補給を八丁味噌が担っていたと言われています。
そもそも、味噌自体が夏バテには効果的ですが、八丁味噌と一般的な味噌の違いは大豆です。大豆には、イソフラボンや大豆サポニンなどの成分が豊富に含まれており、これらは抗酸化作用のある物質です。そのため、八丁味噌は赤味噌や白味噌より抗酸化作用が強いという実験結果も出ているそうです。
さらに、2年以上の熟成によってメイラード反応が起き、メラノイジンが多く含まれています。このメラノイジンも強い抗酸化作用を持っています。
大豆の栄養成分と熟成による成分によって、八丁味噌は夏の暑さにも負けない身体づくりにぴったりの食品と言えるのです。
八丁味噌グルメに合う日本酒は?
そこで今回は、代表的な八丁味噌を使った料理と、それに合う日本酒「久保田」をご紹介します。
味噌カツ
「味噌カツ」は、八丁味噌をベースにした独特のたれをかけて食べるとんかつです。愛知県ではポピュラーなメニューで、特に名古屋市のとんかつ屋さんで味噌カツを置かない店はほとんどないほど。一説によると、土手鍋の味噌に串カツを浸して食べたところ美味しかったため、この食べ方が広がったと言われています。
そんな味噌カツとぴったりだったのは「久保田 碧寿」。お燗にした碧寿と合わせてみると、温めることで日本酒らしいどっしりとしたパンチを増す碧寿が、たれをしっかりと染み込ませた味噌カツのはっきりした味わいを受け止めてくれます。また、甘辛い味噌カツに碧寿の酸味がトッピングのように加わり、味わいに奥行きが増すペアリングになります。
鶏味噌鍋
鶏肉、ネギ、きのこ、豆腐などの具材を、熱の伝わりやすい鉄鍋を使い、八丁味噌で煮込む鍋料理です。愛知県の名物である鶏肉と八丁味噌の両方を味わえる、愛知県らしさ溢れる一品です。
濃厚なコクのある甘辛い風味で、八丁味噌と鶏肉の相性がよく、味噌の染み込んだ弾力ある鶏肉は食べ応えがあります。鶏肉の出汁が含まれたスープを吸収した野菜の味わいも楽しめます。
そんな鶏味噌鍋には、「久保田 純米大吟醸」がおすすめ。純米大吟醸は、華やかな香りを持ちながらも久保田の代名詞であるキレや透明感を充分に残したお酒です。八丁味噌を使った鶏味噌鍋の濃厚な味わいを、純米大吟醸がさっぱりさせてくれます。