4月2日は「しゃぶしゃぶの日」です。しゃぶしゃぶは、ちょっと贅沢な日に食べる鍋ではないでしょうか。家族が集まった時、外食の時、お歳暮やお中元でちょっと良いお肉が手に入った時。今日はしゃぶしゃぶ!と決めた日は食事が待ち遠しいもの。そんな時、日本酒を使ったしゃぶしゃぶにしてみませんか?日本酒1本使ったしゃぶしゃぶは贅沢感があり、何より美味しさが倍増します。締めまで美味しい日本酒のしゃぶしゃぶ “燗しゃぶ” を堪能しましょう。
じんわり美味しい「燗しゃぶ」
日本酒しゃぶしゃぶ、名付けて「燗しゃぶ」。だし汁の代わりに日本酒を鍋に注いでしゃぶしゃぶをすることです。まだ試したことがない方は、日本酒だけというのに抵抗があるかもしれません。しかし、日本酒には様々なアミノ酸が含まれていて、日本酒特有の甘さや香りでだし汁に匹敵する旨みを感じることができるのです。
鍋に日本酒を入れて火にかけ、沸騰した状態で5分ほど煮詰めるとアルコールが飛び、うま味成分だけが残ります。日本酒が好きな大人だけの時は、アルコールを飛ばしすぎないように仕上げても。日本酒が持つ乳酸の香りが食材をふわっと包み込み、芳醇なしゃぶしゃぶとなります。子供達が一緒の食卓の場合は、しっかりとアルコール分を飛ばしましょう。
では、どんな日本酒が適しているのでしょうか。料理酒と記載してあるものは食塩や添加物が含まれているためお勧めできませんが、本醸造、純米酒、吟醸酒など清酒であればどれでも構いません。アミノ酸が多いものはうま味成分が蓄積され味の変化が大きくなり、吟醸酒は香りが高いため脂肪分の多いお肉によく合います。
今回は、すっきりと軽快で初燗しゃぶ体験にぴったりな「久保田 百寿」を選択しました。酸度もアミノ酸度も高過ぎず、軽快でキレがあるため、豚肉や鶏肉の肉類からタイやブリなど海鮮しゃぶしゃぶにも使える優秀な一本です。
しゃぶしゃぶをする時は沸騰させないのがポイント。グラグラと沸いた日本酒では肉や魚のタンパク質が急激に凝固し美味しく仕上がりません。80℃を目安に火加減を調節しながら食べましょう。特に豚肉をゆっくりと15秒ほど日本酒に通すと、しっとり柔らかくとろけるような食感に。豚肉のイノシン酸に日本酒のアミノ酸が加わり、至福のしゃぶしゃぶとなります。もちろん、一緒に飲むお酒は鍋にも使った「久保田 百寿」が相性抜群です。
しゃぶしゃぶの材料とつけだれ2種
・久保田 百寿:4合
・豚肩ロースしゃぶしゃぶ用:200g
・にら:1/2束
・レタス:1/2個
定番のポン酢やゴマだれでも十分ですが、いつもと違うたれで食べてみてはいかがでしょう。エスニックたれのナンプラーは塩気が強いためクセのある食材によく合い、味わいを引き締めてくれます。中華たれは黒酢のコクとオイスターソースの牡蠣のうま味、花椒の痺れる辛さが特徴で、食材の美味しさを増幅させます。
エスニックたれ
・ナンプラー:大さじ4
・レモン汁:大さじ2
・砂糖:大さじ1
・赤唐辛子:輪切り1本
中華たれ
・黒酢:大さじ4
・オイスターソース:大さじ2
・白ごま(粗めに潰す):小さじ2
・花椒(粗めに潰す):10粒
①鍋に百寿を入れて火にかける。沸騰してから5分ほどアルコールが飛ぶまで煮詰め、火を弱める。
②たれの材料をそれぞれよく混ぜ合わせる。
②鍋に肉を1枚ずつ入れ、色が変わったらたれに付けて食べる。
最後まで日本酒を味わう締め3種
たまご酒雑炊
鍋の締めと言えば雑炊。まるでたまご酒のような滑らかな雑炊です。合わせるお酒は百寿の他に「久保田 純米大吟醸」もよく合います。柔らかく滑らかな舌触りとナンプラーの風味が純米大吟醸の華やかさと心地よく絡み合いあいます。
【作り方】
①たまごを同量の水で溶く。
②鍋に①と炊いたご飯を入れ、ごく弱火でとろりとなるまでゆっくり温める。
③香菜を乗せ、エスニックたれを少々垂らす。
黒酢ラーメン
しっかり満腹になりたい場合はラーメンで。日本酒のアミノ酸と食材の美味しさが詰まったスープを飲み干せば満足すること間違いなし。中華たれで味付けすることにより、黒酢の酸が後味をすっきりさせます。日本酒は、程よい酸とアミノ酸のバランス、綺麗な余韻がある「久保田 萬寿」が良いでしょう。
【作り方】
①鍋に顆粒の鶏がらスープを少々加える。
②中華麺を加え、弱火で煮る。
③火が通ったら器に盛ってねぎを乗せ、中華たれを小さじ1程度垂らす。
春雨スープ
最初から最後まで「久保田 百寿」を飲む場合の締めは春雨スープが最適。しゃぶしゃぶの汁をそのまま味わえ、春雨なので軽めな仕上がり。百寿をぬるめの燗にすると更に同調します。
【作り方】
①鍋に乾燥の春雨を入れる。
②春雨が柔らかくなったら塩で味を調える。
③器に盛り、刻んだニラを乗せる。味が足りなければエスニックたれを数滴落とす。