最近増えつつある、おしゃれなデザインの日本酒。日本酒はラベルだけではなかなか味わいが分からないので、見た目で選ぶ“ジャケ買い”をしてみるのも一つの手です。そこで、今回はデザイン賞を受賞したおしゃれな新潟の日本酒5本をご紹介します。
“ジャケ買い”も日本酒の選び方の一つ
日本酒といえば、ボトルに筆文字で銘柄が書かれた和紙ラベルが貼られたものというイメージが一般的でしたが、最近ではワインのように英語が書かれたラベルやカラフルで可愛らしいラベル、オリジナルの型で作ったボトルなど、おしゃれなデザインの日本酒が多数登場しています。
その背景には、若い人や女性にも日本酒を手に取ってほしいという酒蔵の想いもあります。日本酒は、知識を身につければ、ラベルからでもある程度味わいの方向性が想像できるようになるかもしれませんが、そうなるまではなかなか大変なものです。そんな日本酒の選び方として、見た目で選ぶ“ジャケ買い”をしてみるのも一つの手です。
デザイン賞も受賞したおしゃれな日本酒5選
そこで、今回はデザイン賞も受賞したおしゃれな新潟の日本酒をご紹介します。
錦鯉(今代司酒造)
世界の名だたるデザイン賞の数々を受賞したのが、今代司酒造の「錦鯉」。カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルの銅賞や、アメリカのワンショウの金賞、ベルギーのペントアワード、トップアワード・アジア、グッドデザイン賞など、世界中の名だたるデザインに関連する賞を受賞しています。日本の魅力を錦鯉と日本酒のコラボレーションで世界に発信した一本です。
ボトルには錦鯉の文様が描かれており、錦鯉の形にくり抜かれた窓のついた付属カートンに入れると、そこに現れるのはまさに錦鯉。箱に入れたまま飾ると、まるで錦鯉を鑑賞しているようなデザインです。
中身のお酒も錦鯉のように華やかで、清らかさの中に堂々とした味を感じられるお酒です。このお酒、実は酒のスペックは非公開。情報からではなく、自分の舌、鼻、目で味わってみてはいかがですか?
久保田 雪峰(朝日酒造)
2018年度グッドデザイン・ベスト100やガラスびんアワード最優秀賞を受賞したのは、朝日酒造の「久保田 雪峰」。アウトドアメーカーのスノーピークと共同開発した商品で、スノーピークのデザイナーがデザインしています。
これまで和紙ラベルに印字されていた久保田のロゴをボトルに直接プリント。ブランドの世界観は壊さず、ボトルも化粧箱もブラックのみと、最低限のデザインと色で仕上げています。
アウトドアで楽しむをコンセプトに、中身の山廃仕込みの純米大吟醸酒は旨味やコクなどの味わいを充分に堪能でき、味の幅に加えて奥深さを感じられ、個性的で野趣あふれるアウトドア料理にもバランスよくマッチします。
麒麟山 紅葉〈金〉(麒麟山酒造)
ベルギーのペントアワードの飲料部門でプラチナ賞を受賞したのは、麒麟山酒造の「麒麟山 紅葉〈金〉」です。
「麒麟山 紅葉〈金〉」は、三年以上熟成させる秋季限定酒「麒麟山 紅葉」の姉妹品として特別販売されたものです。20年以上の長い熟成を経て淡い琥珀色となり、蜜のような芳醇さにまろやかな酸味も加わった奥深い味わいの長期熟成酒です。お酒の品質を最優先に考え、不定期の蔵出しとなっているため、いつ買えるかは分からない幻の一本です。
紅葉を一枚配しただけのシンプルなパッケージデザインは、「紅葉」シリーズに共通しています。「紅葉」シリーズの味と背景を直感的に伝えるため、木々が色づくように円熟した旨みが増すイメージを表現しています。
人と 木と ひととき 純米酒 木桶仕込み(今代司酒造)
「錦鯉」と同じ今代司酒造が手掛ける「人と 木と ひととき」も、ミラノ酒チャレンジのデザイン評価部門でデザインプラチナ賞やトップアワード・アジアを受賞した一本。
ひと昔前までは当たり前だったのに、今となっては全国的にも大変珍しくなってしまった木桶仕込みで造った日本酒です。味わいは、上品で綺麗な香り、独特の甘みと余韻が特長となり、近代的なタンクで仕込んだものとはまったく異なる美味しさを感じられます。盃を傾けながらリラックスした「ひととき」を過ごし、心も体も「休」んでいただけるお酒です。
特徴的なラベルデザインは、実際に今代司酒造に納品された木桶の杉の木目を、一部忠実に再現したもの。型押し加工の熱で溶けて半透明に透ける紙を使い、木目の立体感が表現されています。
天神囃子 特別本醸造(魚沼酒造)
アジアデザイン賞のパッケージ部門金賞や東京TDC賞を受賞したのは、越後妻有大地の芸術祭と魚沼酒造がコラボした「天神囃子 特別本醸造」です。
越後妻有大地の芸術祭専用で作られた地域限定のデザインボトルで、日本古来より祝い事や贈り物に用いられる「水引」をカラフルなボトルにあしらった、伝統とスタイリッシュさとを併せ持つデザインです。結婚式の引き出物や、お祝いのお返しなどにはぴったりです。
魚沼酒造が作る銘柄の「天神囃子」は、妻有地方で唄い継がれる、稲作豊穣を祈願する神事唄・祝い唄が由来。越後の酒米を魚沼山系の伏流水で仕込んだ味は、新潟では数少ない旨口のお酒です。新潟県産米を吟醸酒規格まで精白してあるので、雑味が少なく幅のある旨味です。