楯の川酒造株式会社は、若手蔵人の挑戦を応援する新たな制度「チャレンジボトル」を開始しました。
編集部
若手蔵人が造りから販売まで一貫して携わることができる「チャレンジボトル」は、とても面白い試みですね!
本年度は若手蔵人4名が自分で考案し、造り~販売まで携わった「若手チャレンジボトル」を販売いたします。
地方企業で叫ばれる「人材不足」…だからこそ必要不可欠である「酒蔵の人材育成」新制度
楯の川酒造は、「美味しい酒への飽くなき探求。そして世界を代表するブランドへ」という、実現したい未来を表現したTATENOKAWA100年ビジョンを掲げ、「MADE IN JAPAN」を世界に広げる総合酒類カンパニーを目指しています。酒類の多角化経営や新しい顧客ニーズに対応し、事業を加速していくためには、多様な人材が必要であると同時に、それらの人材を育成していくことが必要不可欠です。
そのため、出勤を必要としない職種(営業・CS・経営企画など)においては、リモートワーク人材を活用し全国からプロフェッショナル人材を確保しています。一方、お酒造りを実際に行う部署においては言わずもがな出社が必要であり、本社近郊の人材の採用が必要となります。
地方都市における人材不足は各所で叫ばれており、楯の川酒造も他人事ではありません。昨今ではデジタル田園都市国家構想が始動し、「デジタルを活かして地方に仕事をつくる」ことで、人の流れをつくり、地方の社会課題である人口減少・東京への一極集中などの解決に動き始めています。そんな中、山形県庄内地方に根付く企業として、地方人材を雇用し、人材を育成する環境をしっかり整えることによる「人材の定着化」と「さらなる会社成長」を目指し、様々な人事施策を打ち出しています。 (参考:デジタル田園都市国家構想基本方針 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai8/shiryou2.pdf)
立候補した若手蔵人が自ら企画・プレゼンし、酒造りにかかわるすべての工程に携わる…蔵人としての経験値向上とモチベーションアップに
楯の川酒造のお酒造りには「杜氏」をおかず、「蔵人」は社員として雇用しています。蔵人は、日本酒の製造における様々な工程を一定期間でジョブローテーションし、一通りすべての業務を経験していくことで蔵人としてのキャリアを高めています。また会社全体では、昨年秋にタレントマネジメントシステムを導入し、人材に関する情報/データの可視化を行い、適材適所の人材配置や蔵人の育成段階の定義に向けて整備を進めています。さらに上期・下期で個人目標設定を行い、年間4回の評価面談を実施。各個人のキャリアアップをサポートしています。
今回、若手蔵人向けの新しい人事施策として、「チャレンジボトル制度」が始動いたしました。本来はそれぞれ職務分担されているため一つの商品のすべての工程に一気通貫で携わる経験を積むことはほとんどありません。この制度では、若手蔵人の自由な発想のもと、自ら造りたい酒を造り上げるために、若手複数人で協力し、企画〜プレゼン、酒造り、そして販売といったすべての工程に携わることで、酒造りに関する知見・経験の向上を目指します。デザインや営業面にも関わることで、これまでなかった視野・視点にも気付きを得て、今後の酒造りにも活かしてもらえるとよいと考えています。
■若手4名の目指す「理想の酒」を造る工程を、各部署のメンバーがサポート
チャレンジボトルへの参加を希望したメンバーは製造部所属の4名。今回の4名の挑戦は、製造部のメンバーはもちろんのこと、販売面のサポートを営業部・通販事業部、さらに情報拡散の面で広報も加わるなど、多方面の部署が横断的に商品販売に向けてサポートしています。
チャレンジボトルに挑戦したメンバー4名よりコメント
・製造部 製造課 宇垣真人
入社してから「自分の手で酒を造りたい」という目標があり、今回チャレンジボトルに参加出来てうれしく思いました。酒質や瓶など酒造りにおける工程すべてに携わり、1から考えるのはとても大変でしたが、チーム一丸となって無事に醸造出来ました。
「甘口低アルコール」と聞くと、くどい甘さのお酒をイメージしてしまうかも知れませんが、このお酒は甘いだけでなく、雪女神特有の淡麗さも残って、老若男女問わず飲みやすいお酒に仕上がりました。
・製造部 製造課 岡部倭士
私は甘いものが好きで、日本酒も甘口が好みです。しかし、自分が飲みたいと思う甘さの日本酒にこれまで出会えずにいました。そこで今回のチャレンジボトルの話を聞き、「理想的な甘い日本酒を自らの手で造りたい」と思いました。これまで楯の川酒造で造られた甘口の日本酒よりもさらに甘く、純米大吟醸の中でも甘く…という、強い思いでこのお酒を造りました。
・製造部 製造課 岩井美貴
チャレンジボトルの企画を聞く前からずっと、自分で考えた酒質をお酒にしてみたいという思いがありました。今回、酒造りの工程の中の一つは自分の考えたもので挑戦したいと思い、「酵母の種類」を考え、酛造りに使用しました。そして、実際の仕込では麹造りを担当しました。普段の仕込でも使用経験の少ないお米で、予想通りに仕上がるか心配でしたが、しっかりと温度管理を行い、狙い通り麹をつくりあげることができ、お米の周りや内部まで麹菌が生えた良い麹となりました。
・製造部 精米課 遠田泰広
楯の川酒造に入社し、日本酒を造るようになってから、家族や友人との飲み会に自社の日本酒を持参していくことがありました。「おいしい」と飲んでくれる方がいる一方、アルコール度数の高さや辛口な味わいを苦手とする方もいました。甘口・低アルのお酒を造れば、こういった理由で日本酒が苦手と思っていた方にも、美味しい日本酒を味わってもらえるのではないかと思いチャレンジボトルの企画に参加しました。甘く飲みやすいお酒に仕上がっておりますので是非ご賞味ください。
若手チャレンジボトル 最新情報
若手チャレンジボトルは、7月中の販売開始に向け現在準備を進めております。販売日が決定次第続報を配信予定です。また、「#楯野川チャレンジボトル」でtwitter検索いただくと、実際に若手4名が作業している様子もご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
■楯の川酒造株式会社 会社概要
会社名:楯の川酒造株式会社 所在地:山形県酒田市山楯字清水田27番地
代表者:佐藤淳平(六代目蔵元) 創業:天保三年(1832年)
公式HP:https://tatenokawa.com/ja/sake/
公式オンラインショップ:https://shop.tatenokawa.com/
公式Twitter:@tatenokawa 公式Instagram:@tatenokawa_sake 公式LINE:楯の川酒造
事業内容:酒類等製造販売(日本酒「楯野川」、焼酎・リキュール「子宝」、リキュール「ホームランまっこり」
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