今回は、青森県油川大浜で1878(明治11)年創業の西田酒造店「田酒 特別純米酒生 2021年新酒」です。
西田酒造店について
西田酒造店がある油川は青森駅から津軽線でひとつ、青森湾に面した港町です。鎌倉時代から戦国時代にかけて津軽半島東海岸一帯の“外ヶ浜”で最も栄えていた港でした。西田酒造店は創業以来の銘柄「喜久泉」「善知鳥」。以前は地名を冠した「外ヶ濱」という銘柄もありましたが、現在は田酒のほうに統一されたようです。
「田酒」は「日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい」という一念で商品化に着手。1974(昭和49)年1月に発売されました。それ以来、半世紀にわたって日本酒界をリードする銘柄として人気が持続している驚異的な銘柄です。変化するニーズに適応してきたことが理由ですね。注文するお酒に困ったときに田酒があれば、頼んでもまちがいありません。
「田酒 特別純米酒生 2021年新酒」
国産米(華吹雪)100%使用で55%精米です。毎年の第一弾が特別純米というのは、なんとなく安心してしまいます(笑)
それも田酒ですので余計です。ということで、フルーティな香り、ガス感はあまりありませんが、フレッシュな口当たりにスッキリ旨口な、とても美味しい味わいです。
ちなみに「2021新酒」という表記ですが、酒蔵業界では、7月1日が酒造年度の始まりとなっているので、今から来年6月末までが2021(R3)BYとなります。ですが、夏は新酒を醸しませんので3月くらいまでに醸した「夏酒」から「ひやおろし」、そして9~10月に新米が出荷され、それを使って、だいたい11月くらいに新酒が出るというパターンとなっています。それで「2021BYの第一弾」ということになるわけです。