今回は、北海道函館市七飯町で2021年4月に創業の箱館醸造「郷宝 特別純米」です。「郷宝」は「ごっほう」と読みます。
箱館醸造について
道南エリアでは約35年ぶりになるという新しい酒蔵です。函館・七飯町で約100年続く『冨原商店』を営まれている冨原節子さんの強い想いから誕生したということで「道南テロワール」をキーワードに、「道南の水、米、人」で醸しています。気になる杜氏は日本最北端の酒蔵「国稀」で杜氏を務めていた東谷浩樹氏。箱館ラサールから帯広畜産大学、北の誉酒造から札幌酒精工業、そして国稀酒造と北海道一筋のまさに「道南テロワール」にふさわしい方です。仕込水は横津岳の良質な伏流水、七飯町産の「彗星」「吟風」などの酒米を使って醸します。あえて「箱館」としているのは、かつて箱館奉行が統治していたこの地域全体を「郷」と捉え、この地域全体での振興の一躍を担いたいとの思いを込めたからだそうです。
「郷宝 特別純米」
七飯町産吟風100%使用で55%精米です。北海道の新しい蔵というと「上川大雪」ですが、同じ米で比べるとフルーティさや味わいは軽めで淡麗な感じです。「北の誉」「国稀」の杜氏ですから、酸味、甘味というよりスッキリ系だと思います。キレはいいですね。
一年目ですが、最北端と道南では環境がずいぶん違うと思いますので、今後に期待が持てる味わいです。愉しみにしています。