「日本酒の日」とは、酒蔵が日本酒造りを始める、酒造元旦とも呼ばれる10月1日に制定された記念日です。日本酒の日には、全国各地でさまざまなイベントが行われてきました。こちらの記事では日本酒の日の由来や、10月と日本酒の関係性、10月1日当日に開催されるイベントなどについてご紹介します。
「日本酒の日」の意味と起源
日本酒の日の由来や込められた意味とは
日本酒の日は、日本酒造組合中央会によって1978年に制定されました。
古くから日本人に親しまれてきた日本酒は、日本の文化とも言える飲み物の1つです。日本酒の日には、「日本酒を後世に正しく伝えよう」という考えや、「日本酒が人々にさらに愛されますように」といった願いが込められています。
制定されて40年以上が経過した現在、毎年10月1日は全国の日本酒ファンが思い思いのお酒を楽しむ日として浸透しています。
日本酒の日が10月1日に制定された2つの由来
日本酒造りが始まるタイミングだから
米と水は、日本酒の味わいを大きく左右するポイントです。原材料の米の違いによって日本酒の旨味や香り、味わいにも変化が表れるため、酒蔵は美味しい日本酒に仕上がるよう米づくりからこだわっています。新米の収穫が始まる10月は、多くの酒蔵が日本酒造りを始めるタイミングで、古来酒の月と考えられてきました。
現在の日本酒業界の暦では、毎年7月から翌年6月までを1年と数えていますが、もともとは10月から翌年9月までを1年としていました。そのため、10月1日は「酒造元旦」とも言える日なのです。
十二支の「酉」が酒と関係しているから
古代中国で誕生した十二支は、その月を表す記号として扱われていました。その中の「酉」の本来の役割は、「酒つぼ」を表す象形文字。そのため、お酒に関係する「酌」や「酔」などの漢字には「酉」が使用されています。
日本における「酉」は十二支の10番目であることから、10月がお酒の月となり、1ヵ月が始まる1日が日本酒の日になった、とも考えられています。
日本酒の日がある10月と日本酒の関係
10月の和名「神無月」の語源に日本酒が関係
10月は日本酒が特に美味しい季節
酒蔵は秋から厳冬、春にかけて日本酒の仕込みをします。火入れしてから貯蔵タンクに囲い、涼しい酒蔵の中で夏を越したお酒は、時間をかけてゆっくりと熟成していき、10月頃(秋頃)には芳醇なお酒に仕上がります。
熟成したお酒だけではなく、搾りたてのフレッシュな新酒も楽しめる時期です。そして10月は、山の幸や海の幸が食卓に並ぶ時期。旬の食材とともに楽しむ日本酒は、より一層美味しく感じるはずです。
10月前後には「ひやおろし」や「秋あがり」が登場
9月、10月頃には「ひやおろし」や「秋あがり」と呼ばれる日本酒が登場します。
「ひやおろし」とは、お酒の状態を指す言葉です。春に搾ったお酒を1度だけ火入れした後、夏の間に熟成させ、2度目の火入れをせずに出荷するお酒のこと。まろやかな旨味に、生の味わいも堪能できます。
「秋あがり」とは、同じようにお酒の状態を指す言葉。春に搾ったお酒が夏を越して熟成し、“秋になり旨味が増した”状態を「秋あがり」と呼んでいるのです。火入れは2度行っています。熟成した、まろやかな深みを感じられます。
日本酒の日に行われるイベント
今年で7回目を迎えますが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインイベントへシフト。全国で乾杯するオンラインイベントやキャンペーンを開催しています。
オンラインで全国一斉 #日本酒で乾杯 2021
今年は、10月1日の17:30からYoutubeLiveで「オンラインで全国一斉 #日本酒で乾杯 2021」をライブ配信します。全国から誰でも自由に参加できるイベントです。
日本酒の未来について語るパネルディスカッションや、世界、全国各地の日本酒アンバサダーが「日本酒で乾杯!」するビデオレターの紹介など、コンテンツが盛りだくさん。そして19:00に合わせて、 「日本酒で乾杯」の発声を行い、全国一斉に、店舗、イベント会場、ご自宅と同時に乾杯を行います。全国のイベント会場、取材可能な飲食店からライブ中継を行い、日本酒で乾杯の様子を伝えます。
また、TwitterやInstagramから「#日本酒で乾杯2021」を付けて、日本酒で乾杯している写真、日本酒を楽しんでいるイベントや飲食店の風景、家飲みの食卓シーンの写真を投稿するとプレゼントが当たるキャンペーンも開催しています。
日本酒の日は、好きな日本酒で乾杯を
なかなか集まって日本酒を楽しむというのは難しいご時世ですが、好きな日本酒やおつまみを揃えて、オンラインで大切な人たちとつながり、乾杯してはいかがでしょうか。