今回は、山口県下関市で2019(令和1)年創業の長州酒造「天美 純米大吟醸 東条山田錦」です。あっという間に大人気蔵になりましたね。味はもちろんのこと、藤岡杜氏のSNSなどでの発信や対応などが好感をもたれているのもひとつの要因ですね。
長州酒造について
長州酒造は、山口県に本社があって太陽光発電などの事業を行っている「長州産業」(卓球の石川佳純選手の応援もされています)が、地元の1871(明治4)年創業の児玉酒造が廃業の危機に瀕したために事業継承の形で引き継いで名称変更した酒蔵です。
とはいえ、建物から機材からすべて新しくなっていて、杜氏も東京農大卒で「八咫烏」「川鶴」「作」などで修行されていた実力者である女性杜氏の藤岡美樹氏を招へい。児玉酒造時代の銘柄「菊川」と2020年11月に「天美 the first」が初出荷されたという出来立てほやほやの酒蔵です。
「天美 純米大吟醸 東条山田錦」
兵庫県産山田錦100%使用で40%精米です。昨年スタートした蔵にもかかわらず、山田錦のなかでもTOP of the TOPの東条産をいきなり使えるのですから、すごいことです。人脈、資金力などなど揃っているのでしょう。
それはともかく、その味わいですが、爽やかな香りにほんのりガス感があります。酸味のある、ほんのり甘味がバランス良く、とても美味しいです。とても贅沢な味わいですね。
実はこれ、3月に発売延期となったもので「発売時には抜けると想定していた加熱処理の直後に出る特有の香りが抜けきれておらず、急遽販売を見送ることになりましたが、冷蔵庫で落ち着かせることで、それも抜け、香味のバランスが整い自信をもってお届けできると判断いたしました」ということで無事発売されました。
おそらくわずかなことだと思いますが、結果的にとてもバランスの良い味わいとなったことで、藤岡杜氏の株が上がったのではないでしょうか。期待して間違いない蔵元だと思います。