今回は福島県会津若松市で1955(昭和30)年創業の宮泉銘醸「冩楽 純米吟醸 赤磐雄町 國平米」です。1955年創業と言っても、同じ会津若松で1718年創業の花春酒造から分家独立した年ですので、いきなり酒蔵を始めたわけではありません。
宮泉銘醸について
地元酒(といっても最近はそうでもありませんね)は社名の「会津宮泉」。「冩楽」は2007年から、また、「玄武」という焼酎も造っていますが、これは見たことがありません。四代目社長の宮森義弘氏は44歳。成蹊大学工学部卒で富士通関連会社勤務という経歴ですが、蔵人が辞めてしまい急遽実家に戻ることになりました。そのとき出合ったのが「飛露喜」で、地元に目標となる日本酒ができたそうです。「飛露喜」は同じ会津にあるプレミア日本酒の先輩ですから、恵まれた環境にあったのだと思います。
会津若松というと、猪苗代湖のほとりにあって福島県の真ん中のイメージがありますが、東から浜通り、中通りときて、会津地方は西に当たるそうです。会津地方には「飛露喜」の廣木酒造、「ロ万」の花泉酒造があり、エリアは違いますが「廣戸川」の松崎酒造、「一歩己」の豊国酒造とともに情報交換をしているということです。
「冩楽 純米吟醸 赤磐雄町 国平米」
岡山県赤磐市吉原地区産雄町100%使用で50%精米です。原料米生産者「國平恭史」氏の名前が記された「國平米」がラベルに書かれていますが、この国平さんは飲食業をされているときに日本酒に惹かれ、米生産者が減っていることを憂いて4年前、地元の赤磐市で雄町生産者となったというスゴイ人です。その国平さんの雄町(なんと一等米!)を使って三蔵(乾坤一、出雲富士、冩楽)がお酒を醸し、発売されたのがこの「國平米」シリーズです。
前置きが長くなりましたが、フルーティな香りに、酸味のある甘味でスッキリな冩楽です。
雄町は栽培が大変と言いますが、これからも頑張ってほしいですね。