今回は、岐阜県中津川市で明治初めに創業の三千櫻酒造「三千櫻 純米 完熟バナナ酵母」です。
三千櫻酒造について
築100年を超える酒蔵老朽化と温暖化による冷却作業の困難化を理由に昨年10月、北海道上川郡東川町に蔵ごと引っ越しました。社長の山田耕司さんが愛山好きで、岐阜県に蔵があったときは「愛山」の40%、55%、60%精米に加えて、生酒、火入れというバリエーションがあり「愛山の魔術師」と言われていたほどでした。もちろん「愛山」も醸しますが、基本的には北海道の「きたしずく」や「ななつぼし」「彗星」を使用して新しい酒造りを行っています。
「三千櫻 純米 完熟バナナ酵母」
きたしずく、ななつぼし使用で麹米55%、掛米65%精米です。「完熟バナナ酵母」はもちろん東京農大が作った花酵母のひとつで、完熟バナナのような香りになるものです。前回はきたしずくと五百万石で醸されたようですが、今回は北海道米でチャレンジですね。
もちろんバナナのような香りがします。香りはバナナですが、甘味はそれほどありません。旨味も控えめで、それが逆に呑みやすくなっていると思います。
三千櫻酒造は北海道に移転して、スッキリキレ味さが増している感じがします。やはり酒は土地と水が大きく影響しますね。新しい味を極めていく山田社長の手腕に期待しております。