今回は佐賀県小城郡で1875(明治8)年創業の天山酒造「七田 純米吟醸 愛山50」です。「七田」の愛山には7割5分精米もありますが、これは5割精米です。
天山酒造について
天山酒造は1861(文久元)年、蔵のそばを流れる祇園川を使って水車業を始めたのが発祥です。水車業とは自前の水車を使って、製粉、製麺業を行ったり、他者から持ち込まれた米を精米したりする商売ですが、その関係でしょうか、ある蔵元が廃業するときに買い取って酒造業を始めることになったということです。
仕込み水は当然のごとく祇園川の伏流水です。ゲンジボタルの名所ということで、水のキレイさが想像されます。その仕込み水と佐賀の酒米で醸しているのは地元酒「天山」(ちなみに「天山」にも愛山34という純米大吟醸があります)。新種鑑評会では「飛天山」という銘柄が金賞を取り続けていますね。
「七田 純米吟醸 愛山50」
愛山100%使用で50%精米です。フルーティな香りがほんのりとして、キレイな吞み口です。甘味は少なめで旨味を感じますので、食中酒としていいと思います。世界の女性ワイン専門家が選ぶフェミナリーズ世界ワインコンクール2021で金賞を受賞したとのことですので、そんなイメージですね。
フェミナリーズ世界ワインコンクールはあまり聞いたことがありませんでしたが、ワインの本場フランスでTOP5に入るほど世界的知名度の高いコンクールのひとつで、世界中から約600人の女性ワイン専門家が、審査会場であるフランス、パリに集まり、世界中から出品された約5000アイテムの「ワイン」「リキュール」「日本酒」を審査します。日本酒部門は2020年から新設されました。
ちなみにほかの純米吟醸部門の金賞受賞酒でめぼしいところでは、「作 雅乃智」「臥龍梅 純米吟醸 浮世絵柄」「笹の川 純米吟醸 生春酒」などがあります。
いろいろな日本酒コンクールが世界で行われるのはいいことだと思いますので、これからもどんどん受賞してもらいたいものです。