今回は、福島県会津若松市で1794(寛政6)年創業の鶴の江酒造「会津中将 純米吟醸」です。福島県はすばらしい酒蔵がたくさんあります。私的には、秋田、山形、福島が日本三大美味い酒県だと思っています。個別に選んだら違うところもありますけどね。
鶴の江酒造について
鶴の江酒造の蔵元である林家は、会津藩御用達頭取を務めた永宝屋一族で、寛政六年分家創業し、屋号を「永宝屋」と称し、当主は代々、平八郎を襲名しています。当時は屋号をとって「永寶」という銘柄の地酒が造られていました。1977(昭和52)年「会津中将」を上梓して現在に至りますが、「永宝屋」を復活させたりしています。そんな鶴の江酒造の酒は7代目・林平八郎さんの娘、ゆりさんです。女性杜氏が醸す酒というわけです。ご主人が東京農大の同級生で、ゆり杜氏が醸した酒を吟味しているそうですから、なんだか長野県の「川中島幻舞」と同じような感じですね。
「会津中将 純米吟醸」
福島県産夢の香100%使用で55%精米です。「夢の香」らしい控えめながらフルーティな香りに加えてガス感があり、ほんのり甘味と旨味で、かなり美味しいです。食中酒としてもオススメできます。同じ「夢の香」を使った「楽器正宗」的な味わいではありませんが、100人呑んだら95人は旨いというのではないかと思う、まとまった味わいです。
女性杜氏が増えていますね。酒蔵は女人禁制の時代が長く続きましたが、現在は女性ならではの酒造りと味わいが人気を集めています。この「会津中将」はもとより、石川県の「遊穂」、茨城県の「むすびゆい」、長野県の「川中島幻舞」などなど、そんな縛りで日本酒を呑んでみてもいいですね。