今回は、滋賀県は北近江で創業から500年近い歴史をもつ冨田酒造の「七本槍 純米搾りたて生原酒 山田錦」です。冨田酒造は琵琶湖の北にある賤ケ岳のふもとの旧北国街道沿いにあり、仕込み水は奥伊吹山系の伏流水を使っています。
「七本槍」について
「七本槍」と言えば、「賤ケ岳の戦い」で活躍した福島正則、加藤清正、加藤嘉明、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則、片桐且元と豊臣秀吉が子供のころから可愛がった武将のことです。豊臣家の全国統一に大変貢献しましたが、関ケ原の戦いでは石田三成に反発して徳川方について活躍、なのにそのうちの何人かは徳川家康に改易され、最終的には不幸な生涯を送ります。長野県の小布施にある岩松院という寺に「七本槍」の一人、福島正則の墓があります。福島正則といえば、秀吉夫人の寧々の姉妹の息子で幼少のころから秀吉に可愛がられ、さまざまな戦いで武功を上げていた武将です。歴史を紐解くと、そんなことになっていたのでした。結果的にはそうですが、豊臣好きな日本人にはとても知名度がある名前なわけです。
「七本槍 純米搾りたて生原酒 山田錦」
滋賀県産山田錦100%使用で60%精米です。フルーティな香りにガス感、酸味があり、甘味は控えめ・・・何かこれまでの「七本槍」のイメージと違う「今風」な味わいです。硬派なイメージがあったのですが、2019年に「生酛造り」を再開したり、新しいチャレンジを続けている現蔵元の新しい「七本槍」ということなのでしょう。もちろん、「今風」に美味しいです。
滋賀県は米どころということもあって、歴史ある酒蔵が多く存在していて冨田酒造もそのひとつです。新しいチャレンジもいいですが、歴史ある味わいもぜひ残していただきたいですね。