今回は、秋田県湯沢市で1874(明治7)年創業の両関酒造「花邑 純米酒 陸羽田」です。メイン銘柄は「両関」なのだと思いますが、東京では「花邑」や「RZ55」「翠玉」などのほうが目につきます。
両関酒造について
明治40(1907)年に行われた第一回全国清酒品評会で一等賞を受賞、大正時代には東京に進出しています。最近ではあまり見かけませんが、CMが放送されていた「美酒爛漫」、飲み屋の看板でよく見る「高清水」と同様に「両関」が東京でも知られている名前なのはそういう歴史があるということなのでしょう。
それほどの老舗ですが、この「花邑」は新しい試みとして「十四代」を醸す山形県の高木酒造から技術指導と監修を受けて醸した銘柄です。出羽燦々、陸羽田、雄町がラインナップされていて、搾りたてをすぐに瓶詰めして瓶火入れを行っています。
「花邑 純米酒 陸羽田」
陸羽田100%使用で55%精米です。酒米の「陸羽田」は、東北地方が陸羽と呼ばれることから名付けられた、高木酒造セレクトの酒米です。甘いフルーツのような香り、口に含むと甘みを感じますが、引き締まった甘さで甘すぎないところが絶妙です。
「花邑」シリーズは店にあれば頼んでしまう銘柄となりましたね。甘味を欲しているときに適度な甘さで満足させてくれる一本です。