低アルコール日本酒は、甘口タイプが多くすっきりライトな飲み口が特徴です。近年は白ワインやシャンパンを思わせるような、本格的な低アルコール日本酒が注目されています。今回は、「花の舞Abysse(アビス)」を中心に人気銘柄を唎酒師が飲み比べ!日本酒初心者にもおすすめの、低アルコール日本酒をご紹介します。
目次
1.初心者におすすめ!低アルコール日本酒の魅力
低アルコール日本酒は、甘く飲みやすいタイプが多く日本酒初心者にもおすすめです。「日本酒はクセが強くて」「お酒ならではの香りがニガテ」という方も、新たな味の発見ができます。
近年はオシャレなボトルの銘柄が多いこともポイント!乳酸菌飲料やシャンパンを思わせるような味わいで、日本酒の楽しみ方をより一層広げてくれます。
1-1.アルコール度数8~13%と飲みやすい
低アルコール日本酒に明確な定義はないものの、その多くがアルコール度数8~13%に設定されています。通常の日本酒は、アルコール度数15~17%。ビールやワインといったほかのお酒のアルコール度数は以下のとおりです。
・ビール 4~6%
・ワイン 10~14%
・焼酎 25%前後
・ウイスキー 40%前後
こうしてみると、低アルコール日本酒はビールやワインと度数が近いことがわかりますね。味わいも軽く、料理と楽しんだり、デザートに合わせてみたりと楽しみ方のバリエーションが豊富なことも特徴です。
1-2.ロックやカクテルで楽しめる
低アルコール日本酒は、ロックやカクテルで楽しむのもおすすめです。合わせるものの風味をじゃませず、美味しいカクテルに仕上げてくれます。乳酸菌飲料を思わせるにごり酒は、ぜひロックやソーダ割りで。気の合う仲間と気軽に楽しむお酒にもぴったりですよ。
2.「Abysse(アビス)」はアルコール度数12%
花の舞酒造が造る「Abysse(アビス)」は、アルコール度数12%の日本酒。低アルコールの日本酒は「白ワインのよう」と言われることも多いですが、アビスはまさしくワイン酵母で仕込まれたお酒です。
香りはおだやかで、まろやかな酸味とほのかな苦みが特徴的。温度帯によって味の変化を見せ、温めるほど米の旨味が個性をのぞかせます。
低アルコールでもしっかりとした日本酒らしさを持ち、それでいて新感覚の味わいを楽しませてくれる1本。日本酒初心者はもちろん、日本酒通にもおすすめの低アルコール日本酒です。
3.アビスと低アルコール日本酒5銘柄を飲み比べ!
今回は、アルコール度数12%のアビスと低アルコール日本酒5銘柄を一挙飲み比べ!どれも「日本酒」というひとつのジャンルにとどまらず、個性的で何より美味しいお酒ばかりです。
1.「あべ REGULUS(レグルス)」13%
2.「富久錦 Fu.」8~9%
3.「TERA Life is food!」8 ~9%
4.「春鹿 発泡清酒 ときめき」6.5%
5.「讃岐くらうでぃ」6%
酒蔵のチャレンジ精神と遊び心があふれた低アルコール日本酒。早速その味わいをご紹介します!
3-1.「あべ REGULUS (レグルス)」13%
阿部酒造のスターシリーズ「あべ REGULUS(レグルス)」はアルコール度数13%。アビスに比べ若干度数の高いお酒です。★(スター)シリーズのコンセプトは、風土を活かしたテーブル酒。日本酒を飲み慣れない20~30代の女性をターゲットに造られています。
しし座の一等星を意味するREGULUSは、ライスワインのような軽やかさが持ち味。口に含むとピンクグレープフルーツのような酸味と苦みがジュワっと広がります。後味はスッとキレよく「もう一口…」とついついグラスが進む酒。
「いつもの食事と一緒に、気軽に美味しい日本酒を試してみたいな」というお酒好きにおすすめの1本です。
3-2.「富久錦 Fu.」8~9%
「日本酒は個性が強くて飲みづらい」というイメージをくつがえすお酒がこちら、「富久錦(ふくにしき) Fu.」。アルコール度数8~9%ですが、実際の口当たりは「もっと低いのでは?」と思うほど軽やか。透明感のある甘さが心地よい日本酒です。
香りはあくまでも控えめ。マスカットや白桃のような果実味と、酸味が際立ちます。アビスがほんのり甘口なワインなら、「Fu.」は辛口白ワインといったところでしょうか。
「Fu.」という名前には、富久錦の「ふ」と、飲むと「ふっ」と笑みがこぼれるという意味合いがあるとか。まさに飲み手を選ばず「あ、おいしい」と飲んだ人をうれしくさせてくれる日本酒です。
3-3.「TERA Life is good!」8~9%
「TERA(テラ) Life is good!」は、岐阜県の林本店が造る低アルコール日本酒です。目を引くのは「これが日本酒?」と思うような斬新なデザインのブルーボトル。ラベルにはアレンジされた「鳥獣戯画」が描かれています。
「焼肉に合う日本酒を」と開発された「TERA」は、芳醇なコクとキレを合わせ持つお酒。カラメルや綿あめのような甘さがありつつ酸味が際立ち、お肉の油分もスッキリと洗い流してくれそうです。
同じく食中酒のアビスはイタリアンや洋食に、「TERA」はこってりがっつり肉料理にと、料理とのペアリングを楽しむのもおすすめ。暑い夏はロックやソーダ割りにして、BBQのおともに楽しむのも良いですね。
3-4.「春鹿 発泡清酒 ときめき」6.5%
スパークリング日本酒は、アルコール度数が低く甘口タイプが多いのが特徴。「春鹿 発泡清酒 ときめき」も、アルコール度数6.5%と低アルコールのお酒です。
ピチピチ、シュワッとした微発泡感はシャンパンのよう。甘酸っぱさと日本酒ならではの米の旨味、苦みが活きています。低アルコールでも甘すぎずキレが良いのは、辛口酒を得意とする「春鹿」ならでは。
ボトルデザインの美しいアビス同様、ラベルがかわいらしい「春鹿」もバレンタインやホワイトデーのプレゼントにおすすめですよ。
3-5.「讃岐くらうでぃ」6%
アルコール度数はなんと6%!飲みやすくて料理との相性もばつぐん。ロックやソーダ割り、そしてビール割りでも楽しめる低アルコール日本酒が「讃岐くらうでぃ」です。
瓶の底にたっぷり澱(オリ)がたまる「讃岐くらうでぃ」の印象は、まさに乳酸菌飲料。アビスとはガラリと印象が異なる1本です。クリーミーで甘酸っぱい味わいは、子どもの頃に飲んだような懐かしささえ感じるほど。ソーダで割って大きなジョッキでゴクゴクッと飲みたくなる低アルコール日本酒です。
4.飲みやすい低アルコール酒で日本酒を楽しもう
香りや甘み、酸味に旨味と、日本酒の味わいは年々進化を遂げています。低アルコールのお酒もそのなかのひとつ。ひとくち飲めば今までの日本酒のイメージがガラリと変わるほどです。日本酒ビギナーも日本酒通も、蔵の個性が際立つ低アルコール酒で日本酒をより美味しく楽しんでみてくださいね。