日本酒好きな皆様、突然ですがSAKE CABINET(サケキャビネット)をご存知でしょうか?
SAKE CABINETとは、デザイン性と機能性に優れた冷蔵庫で知られる家電ブランド「AQUA」から発売されている、マイナス5度での縦置き保管に対応した唯一の家庭用日本酒専用セラーです。
2019年の発売から、クラウドファンディングでの大々的なプロモーションもされていた製品ですので、日本酒好きの方であればご存知の方も多いかと思います。
そんなSAKE CABINET、発売と同時に我が家の一員となり、日本酒で溢れる我が家では大活躍をしております。誕生から2年近く経ち、競合メーカーも様々な日本酒専用セラーを発売しておりますが、未だに唯一無二の魅力を放つこのセラーについて、詳しくご紹介いたします。
目次
1. 唎酒師の認定を受けた年、運命的なタイミングでSAKE CABINETが発売され即購入へ。
私(ヒューぽん@よいどれクソメガネ)がこのセラーと出会ったのは、2019年の春。日本酒好きが高じて、唎酒師の資格を取得した頃でした。
日本酒が好きで色々な銘柄を集めたくなり調べていくうちに、『酒質の劣化につながる変化をさせないことが、保管の難しい日本酒を美味しく保つ/美味しいまま熟成させるために必要』ということがわかってきました。
『氷点下で保管できる』『紫外線を防げる』『縦置きで保管できる』など、如何に日本酒の変化を抑制するかが、日本酒を保管するための要件でした。
また、引越前は食材用冷蔵庫の隙間と常温での保管が主だったこともあり、「次に引越するときは、絶対に日本酒用の冷蔵庫を買うんだ…」と思ってもいたのです。
そんな、ちょうど引越しを考えていたタイミングで、クラウドファンディングにて理想の条件を揃えている日本酒セラーに出会ってしまったのです。しかもそれは、引越のタイミングと配送のタイミングがピッタリで、これはもう運命を感じるしかありませんでした。
そうして、我が家にやってきたSAKE CABINET。
ここからは、2年ほど使い倒した感想を紹介していきます。
2. SAKE CABINETには、日本酒を保存する理想的な環境が整っていた。
理想の日本酒セラーの要件とは、『都合の悪い変化を妨げ、所有者が望む変化だけを起こすことができること』です。詳細に並べると、次の3点になると思っています。
2-1. 氷温(マイナス5度)での保存ができること
熱変化(0℃以上で発生するメイラード反応やストレッカー分解によるカラメル化)や、瓶内発酵を抑制できることは、日本酒の保存において重要な要素です。
色々な製品と比較検討しましたが、マイナス5度まで下げられるものは数が限られます。SAKE CABINETはマイナス10℃~10℃の間で温度設定が出来るので、日本酒の化学変化を制御することができます。
2-2.紫外線を遮断できること
次に、紫外線により発生する、日光臭等の劣化反応を抑制できること。ガラス窓のついたタイプでは紫外線を防ぐことが出来ません。
SAKE CABINETはガラス窓もついておらず、庫内の照明にも青色LED(蛍光灯と比較して紫外線量が1/200)を採用しておりますので、紫外線への備えは万全です。
2-3.縦置き保管が出来ること
日本酒は無酸素充填をせずに瓶詰めしている場合が大半なため、多かれ少なかれ酸化反応が起こります。そのため、瓶内の空気との接触面積を減らす縦置きは重要な保管要件です。
また、日本酒でよく見られる酒蓋と呼ばれるキャップにはアルミ箔が貼られているものも多く、横置きにするとこのキャップと液面が触れることになります。
液面とキャップが触れると意図していない味の変化を引き起こしてしまう可能性がありますが、縦置きであればそれを防ぐことができます。
尚、ワインセラーはコルクを乾かさないために横置きの構造になっているものが多いため、兼用セラーだとどうしても横にせざるを得ないものがあります。
SAKE CABINETは中段に一升瓶9本、上段に四合瓶12本を縦置きできる大きさになっています。
このように、SAKE CABINETはここまでに挙げた、日本酒の保管にはうれしい条件をクリアしています。
また、日本酒の保管に特化したからこそ、日本酒以外にもうれしい機能も持っています。
3. 実は、ビールにも嬉しい
日本酒の氷温保管には、安価で容量選択肢の多い業務用の冷凍ストッカーを愛用する方も多いですが、それらはビールの保管には向きません。
何故なら、厳密な温度管理が出来ず、どうしても庫内温度が不安定になってしまうからです。
アルコール飲料は、1%につき-1℃くらいまでは凍りませんが、それより低い温度になると凍ってしまい、膨張して容器が破損する恐れがあります。
SAKE CABINETは、-10℃~10℃まで、5℃刻みでキッチリとした温度管理ができます。
-5℃設定であれば、アルコール5~6%程度のビールは凍りません。
つまり、日本人が大好きな『ピルスナービールのエクストラコールド』がいつでも楽しめるのです。
当然、保管温度が安定していることは、日本酒にとっても良いことです。
業務用冷凍ストッカーの中には、足元に急速冷凍スイッチがあるモデルもあり、何かの拍子にスイッチを触ってしまうことも。
その結果、庫内で瓶の凍結破損が発生してしまい、ガラス片の混ざったお酒を泣く泣く処分することになってしまった、という嘆きの声も聞こえてきます。
保管温度が安定しており、且つほとんどの日本酒が凍結しない-10℃までしか下がらないSAKE CABINETはその点はかなり安心です。
また、温度管理スイッチが庫外正面の高い位置にあり、更に静電タッチパネル式のため意図的に触らない限り温度が勝手に変わることはまずありません。
4. 日本酒用としては最高の環境、でも慎重に選んだ方がいいケースもある
基本的には、「日本酒用としては最高」というのが個人的意見ですが、手放しに全ての方にマッチするものは存在しないでしょう。
参考までに、SAKE CABINETを諦めて他社製セラーや業務用冷凍ストッカーを選ばれた方の話も紹介します。
4-1.ワイン向きではない
庫内温度をワインの熟成に向く温度帯(20℃程度と言われています)には設定できず、縦置き用の設計のため横置きには向きません。
「どうしてもワインと日本酒の両方を1台のセラーで」と考える方は、庫内最低温度が0℃までとなってしまいますが、さくら製作所の2温度帯対応セラーをオススメいたします。
4-2.サイズバリエーションが無い
現状、SAKE CABINETは150Lサイズの1種類しかありません。
容量が足りない方は複数台という選択肢もあると思いますが、大きすぎて置けない、という方には困るかもしれません。今後、小型サイズや大型サイズの選択肢が増えることに期待したいと思います。
いくつか挙げましたが、マイナスとなりそうなポイントは個人的には無いと思います。
SAKE CABINETのもつ日本酒保管能力と、それ以外の条件のどれを優先するか、というところですね。
5. 日本酒に最適な保管環境を、最も簡単に整えてくれるのがSAKE CABINET!
業務用機器のような霜取りも不要なら、氷点下保管ができるのに不意の凍結事故も起こらない。
日本酒にうれしい保管条件を一番簡単に提供してくれる、唯一無二の日本酒セラーがSAKE CABINETです。
これからも引き続き、我が家で活躍してくれることでしょう。
ちなみに私は昨年、新政酒造の農民藝術概論が運良く手に入ったので、付属のパンフレットに飲み頃と記載されている『氷温保管で2027年(7年熟成)』を目指してみようかと目論んでます
あなたのお宅にも、おひとついかが?